やじうまの杜

Rust言語で開発されたカーネルがプレビュー版「Windows 11」に

「Windows Sysinternals」で著名なMicrosoftのMark Russinovich氏がTwitterで明かす

 「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

最新のプレビュー版「Windows 11」にRust言語で開発されたカーネルが導入

 「Windows Sysinternals」の創設者として著名なMicrosoftのMark Russinovich氏が自身のTwitterアカウントで明らかにしたところ、最新のプレビュー版「Windows 11」にはRust言語で開発されたカーネルが導入されているとのこと。

 Windowsのカーネルは主にC言語で開発されています(アセンブラやC++言語も用いられている)。これらの言語はプログラマーがメモリを直接管理できるため、リソースに制限のあるデバイス・ハードウェアでパフォーマンスを出しやすいといったメリットがあります。しかしその一方で、メモリ管理にミスがあると安定性を損なったり、重大な脆弱性につながりかねません。

 そこで注目されているのが、Rust言語です。Rustはコンパイラーがメモリ管理を厳格にチェックしてくれるため、メモリの安全性を保障できます。所有権や借用といった新しい概念に習熟する必要はあるものの、C/C++と同等の実行速度を確保できるのも魅力といえるでしょう。

 すでに「Android」では新規コードから「Chromium」でもサードパーティライブラリからRust言語の採用が始まっていますが――Windowsで、しかもコアとなるカーネルでいきなりRust言語が用いられるのは少しビックリですね。

 編集部では確認できませんでしたが、おそらく一部の環境から段階的に展開されているのでしょう。製品版への投入はだいぶ先のことになりそうですが、今から楽しみです。