やじうまの杜

人気ペイントツール「ibisPaint」に「AIお手本機能」が搭載されるも撤回されてしまう

不正確な情報も出回り、一部ユーザーからの反発を受けて搭載から1日で幻の機能に

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「ibisPaint」

 去る1月9日、人気のイラスト向けペイントツール「ibisPaint」に「AIお手本機能」が搭載されました。しかし、翌日の1月10日には機能が撤回される事態に。いったい何があったんでしょう。

「AIお手本機能」取下げの告知ページ

 「AIお手本機能」は、キャンバスに描いたラフ絵を基にAIがお手本となる画像を生成して表示してくれるというもの。生成された画像を参考に絵を仕上げれば、いつもとは違ったテイストの絵ができたり、絵の上達が期待できたりするというわけです。

 しかし、この機能は一部のユーザーから猛反発を受けてしまいました。X(旧Twitter)のポストには「ibisPaint」の利用規約にある「IB-CCライセンス」(制作したコンテンツを「ibisPaint」のサービス内で自由に使えるようにするライセンス)を根拠に、「ibisPaint」で制作したイラストなどがすべてAIの学習用に利用されるという懸念も多くありました。

 たしかに、描いたイラストが強制的にAIの学習に利用されるのは困ります。でも、ただでさえ生成AIに敏感なイラスト界隈で、そのような強権的な処置が行われることがあるのでしょうか?

 そこで、9日に編集部で開発元であるアイビス社に問い合わせてみたところ、翌日回答がありました。それによると「IB-CCライセンス」はあくまでもユーザーが明示的に許可したイラストに適用されるライセンスで、強制的なモノではないとのこと。また、「ibisPaint」で制作したイラストがAIの学習に使用されることもないそうです。

 しかし、前述の通り10日にはすでに「AIお手本機能」が撤回されており、幻と消えてしまいました。ただ、10日に利用規約の改定も発表されており、イラストが無断でAIの学習に使用されないことが明記され、「IB-CCライセンス」も許可なく適用されないこともわかりやすくなるとのことです。新しい利用規約は1月17日から施行されるそうです。