やじうまの杜
無料で誰でも「ずんだもん」の声になれるのだ! AIボイチェン「ParakeetVC」でなりきってみた
現在はアルファ版。全109キャラクター&全機能が無料で使えるのは1月末まで!
2024年1月16日 09:00
誰かの声になりきりたい、別の人の声になりたい、という方は多いかもしれません。配信等で身バレを防ぎたい、特定のキャラクターになりきりたいなど、さまざまな理由があると思います。かくいう私もボイスチェンジャーの利用者の1人です。
ソフト・ハードを含め、現在、さまざまなボイスチェンジャーが存在していますが、それらは自分の声色をベースにエフェクトをかけるものが多く、自分の声とボイスチェンジャーとの相性の問題があったりして、完全に好きなキャラクターの声になりきるには難しい点があると思われます。
そんな問題を解決するボイスチェンジャーソフトの1つが、今回、紹介するParakeet(株)が開発したAIリアルタイムボイスチェンジャー「ParakeetVC」(リリース当初のアプリ名は「Parakeet․VC」)です。
AIを使って別人の声になりきれるボイスチェンジャーというと、以前取り上げたものに「RVC」がありました。
「RVC」は“完全に別人になりきれる”ボイスチェンジャーソフトでしたが、これには弱点があります。「RVC」はGPUのパワーを割く必要があります。PCのスペックにもよりますが、ゲームをはじめとしたGPUのパワーを必要とするソフトと同時に起動すると当然、負荷がかかりますし、遅延も大きめです。
今回の「ParakeetVC」もAIを使ったボイスチェンジャーソフトなのですが、こちらはCPUのパワーをメインに(GPUは不要)、高品質・低遅延(0.1秒ほどの遅延で動作)・低容量(1つの音声モデルで150MB)を実現したソフトになっています。しかも、ただ声を変えるだけでなく、YouTubeでよく見かける「ずんだもん」をはじめとするキャラクターのボイスになりきれます。その種類は男性49名、女性51名、キャラクター9名、の109通り。多種多様なプロ声優の声質が用意されています。
なお、「ParakeetVC」において、個人の商用利用については、商用利用可能のキャラクターと、商用利用不可のキャラクターに分かれています。詳細は公式サイトのキャラクター紹介ページにある、各クレジット・利用規約を確認してください。
さて、まずは「ParakeetVC」の性能を見ていきましょう。私の普段の声と「ParakeetVC」による変換後の声を録音してみました。
サンプルの文章を読み上げてみました
「ずんだもん」になりきって録音してみました
こちらは「ずんだもん」になりきって録音してみたものです。キャラクターのボイスに寄せるためには発声の段階でイントネーションや発音を工夫する必要があります。
いかがでしょうか。品質は使用するマイクに依存する形にはなりますが、ベースの声から別人の声に変わっているのがわかると思います。
お手軽なインストール&カスタマイズでオリジナルの声にすぐ変換!
「ParakeetVC」のインストール方法については、公式サイトからインストーラーをダウンロードし、表示されるメッセージに従って設定すれば完了です。
初回起動時にはボイスチェンジャーの調整用に録音をします。簡単な短い文章なので、録音は数秒程度で終わります。
録音さえできれば、どのようなマイクでも使用できます。ポイントは口をマイクにしっかり近づけ、意識的にハキハキと話すこと。より品質が高くキレイな音声変換が可能とのことです。こだわりたい人は、1万円以上の性能が高いマイクを使ったりするのもよいでしょう。
事前録音が終わったら、早速、声の変換を試してみましょう。メイン画面の「話者選択」からどんな声に変換するかを設定できます。事前に用意されている人物やキャラクターになりきる「単一話者モード」と、それぞれの声を混ぜ合わせた声に変換できる「ブレンドモード」があります。
また、「デバイス設定」の「入力デバイス」には使用するマイクを、「出力デバイス」には出力先のデバイスを設定します、最初は普段使用しているスピーカーなどでよいと思います。少し上級者向けですが、「仮想オーディオデバイス」を使用することで、Web会議やDiscordでの通話に変換後の音声を出力できるようにもなります。
現在はアルファ版。全キャラクターと全機能が無料で使えるのは1月末まで!
「ParakeetVC」を実際に使ってみた感想ですが、かなりの低遅延で声が変換されたのには驚きました。体感では、公式に謳われている“0.1秒ほどの遅延”というのは誇張表現ではない、という印象です。
ボイスチェンジャーソフトは“声に変換をかける”という仕様上、ある程度、声が遅れて出力されてしまいます。「ParakeetVC」も遅延が完全にないというレベルではないのですが、遅延はかなり短めになっています。
また、キャラクターのボイスに寄せるという点では、たしかに発音やイントネーションにも影響される部分もあるのですが、声の変換精度もレベルが高いと感じました。CPUのパワーでここまで使えるなら、正式版のクオリティも期待できそうですね。
「ParakeetVC」は現在、アルファ版がPC(Windows/macOS)向けに配信されています。109人の全キャラクターと全機能が無料で使えるのは、1月末までの期間限定とのことなので、興味のある方はぜひお試しあれ!
Parakeet․VCのα版をPC向けに公開しました!
— Parakeet 株式会社 (@ParakeetIncCom)December 25, 2023
α版では109名の全キャラクターと全機能が1月末まで期間限定で完全無料です!
高速・高品質な次世代AIリアルタイムボイスチェンジャーを是非体験してください!#ParakeetVChttps://t.co/wATSIYmgeUpic.twitter.com/gTaHdJ2HOG