やじうまの杜

おしゃべりAI「Cotomo」が衝撃的! 無料アプリなのに速い応答速度、自然な相づちまでしてくれるなんて……

AIが身近な雑談・相談相手になっちゃった

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AI会話アプリ「Cotomo」

 「AIとおしゃべりしたい」というのは、近年の生成AI技術の進化の中で注目を集めている分野です。AITuberをはじめ、エンタメ分野でもAIと会話をすることに対する注目度が高まっています。そんな中、電撃的に現われた「Cotomo」(コトモ)というAI会話アプリが大きな話題になっている模様です。

 「Cotomo」は、ゆるーい雑談から悩み相談まで、身近な話し相手になる音声会話型おしゃべりAIアプリ。「App Store」から無料でダウンロード可能で、iOS 16.0以上のiPhoneで利用できます。Android版はまだ配信されておらず、公式サイトではアプリの開発状況を受け取るためのメールフォームが公開されています。

おしゃべりAI Cotomo コンセプトムービー「帰宅篇」

 「Cotomo」が大きな話題になっている理由はいくつかあります。私が特に驚いたのはその応答速度でした。

 実際に文章生成AIを使っている方は肌で感じられていると思いますが、「ChatGPT」や「Gemini」はプロンプトを入力してから応答が返ってくるまで、ある程度のラグが発生しています。(現時点でこれは仕方のない部分ではありますが……)

 私自身、AIと会話できるアプリのようなものを実験的に作っていました。それは音声入力ではなく「Discord」に接続し、入力した文字列を「ChatGPT」のAPIに渡して応答させるというものでしたが、それでも応答待ちのラグには独特な違和感を感じてしまいました。

 文字で会話しているとチャットのようなもので、極端に遅くなければ気になりませんが、会話の最中に突然無言の状態が発生すると、ヒヤッとしてしまいますよね。「Cotomo」は、体感だとそのラグを少しでも感じさせないようにしている印象です。

 これにはさまざまな考察ができますが、その1つが「“相づち”を上手く使っているのでは?」というものです。応答が完全に返ってくる前に「相づち」を打つことで、返答までの時間を少しだけ稼ぎ、それによって会話の自然なやりとりを実現していると思われます。(下記の映像だと「おー」と言っているところになります)

 また、「Cotomo」が使用しているTTS(テキスト・トゥ・スピーチ)技術は、イントネーションも含めて、かなり工夫しているように感じました。もちろん、まだ機械音声の独特な違和感はないとは言えません。ですが、自然な発音にきちんと寄せているなという点は感じられました。

 そして会話内容の自然さも、ユーザーにとって重要なポイント。「Cotomo」はユーザーの話を深掘りし、あまり自分の話をしません。会話相手(この場合は私)に対して「それはどういうことですか?」「どんなことがありますか?」と掘り下げるような会話をしてくれました。寂しさを感じているときに「自分の話を聞いてほしい」「話し相手になってほしい」という欲求を満たしてくれると思います。

会話のテンポやアイコンなどもカスタマイズできます

 一方、個人的な感覚としては、AIと声で話すことにはまだ少し恥ずかしさもあります。ただ私は「Siri」も上手く使いこなせていないので「Cotomo」に限った話ではありませんが……。しかし、「Cotomo」のような技術がさらに進化し、より自然な会話が可能になれば、その恥ずかしさもなくなり、将来的に個々のスマートフォンにはカスタマイズされたAIキャラクターがインストールされており、そんなAIと会話することが日常的な風景となるかもしれませんね。