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Anthropicが「Claude 3」を発表 ~「GPT-4」を上回ると称する最新LLM、3サイズで展開

従来モデルより応答速度、日本語での回答内容の精度が上昇

claude.aiで利用できる「Claude 3」

 米Anthropicは3月4日(現地時間)、大規模言語モデル(LLM)「Claude 3」を発表した。「Claude 3 Opus」「Claude 3 Sonnet」「Claude 3 Haiku」の3サイズが展開されており、「Opus」が最もサイズが大きく、次いで「Sonnet」、「Haiku」の順番となっている。

 「Opus」および「Sonnet」は、Webブラウザーで利用できる「claude.ai」と、159カ国で利用可能なClaude APIで使用できる。「Haiku」は近日提供開始予定。なお、「Opus」を利用するには月額20米ドルの「Claude Pro」に加入する必要がある。

 Anthropicによると、「Opus」は一般的なAIシステムベンチマークの多くで、米OpenAIの「GPT-4」や米Googleの「Gemini」といった他の競合モデルを上回る性能スコアを記録した、としている。

Anthropic公表のベンチマーク

 すべての「Claude 3」モデルは、分析と予測、ニュアンス豊かなコンテンツ作成、コード生成に加え、スペイン語や日本語、フランス語など英語以外での会話能力が向上している。

 「Haiku」は最もコストパフォーマンスが高く、10kトークン以下の研究論文をチャートやグラフを含めて3秒以内で理解できるという。また「Claude 2」と比較して、「Sonnet」は2倍高速でより高度な知能レベルを有し、「Opus」は従来モデル並みの速度ではあるが、"はるかに高い知能レベル"とのこと。

「Claude 3」3モデルの比較

 「Claude 3」はマルチモーダル機能を有し、PDFやフローチャート、プレゼンスライドの読み込みに対応しているが、画像の生成には対応していない。

 また、従来のモデルより無害なプロンプトに対する応答拒否が低減しており、「Claude 2.1」と比較すると回答精度が向上、またハルシネーション(AIが事実と異なる情報を生成する現象)も少なくなっているという。

 Anthropicは、AIの能力は限界に達していないと考えており、今後数カ月のうちに「Claude 3」ファミリーを頻繁にアップデートする予定とのことだ。さらに、ツールの利用、インタラクティブコーディング、より高度な自律エージェント機能など、モデルの機能拡張も予定されている。