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Microsoft、「Copilot in Windows 11」の新機能を発表 ~あらゆる場面でAI活用を加速

OSだけでなく、同梱アプリ、アクセシビリティ、企業のデバイス管理にもAIを

Microsoft、「Copilot in Windows 11」のアップデートを発表

 米Microsoftは2月29日(現地時間)、「Windows 11」向けのプレビュー版「Copilot」の新機能を発表した。OSだけでなく、同梱アプリにもさまざまなAI機能が追加されるほか、法人向けには組織全体のアップデートを安全に管理する機能が導入される。

Copilot in Windows 11

 他のプラットフォームの「Copilot」で一部導入されていた「プラグイン」(plugins)が、Windows 11でも利用可能になる。「プラグイン」はAIチャットをアプリに接続して、特定のトピックに関する回答を改善する機能で、レストランの検索・予約であれば「OpenTable」、食料品の注文・配達であれば「Instacart」(日本未提供)が利用できる。3月中には「Shopify」、「Klarna」、「Kayak」といったパートナーからも「Copilot in Windows」プラグインが追加される予定だ。

「プラグイン」で特定のトピックに関するAIの回答を改善

 また、「Copilot in Windows 11」で利用できるスキルの数も増える。これまでも「ダークモードを有効化する」といったOS機能のカスタマイズをAIチャット経由で依頼することができたが、3月下旬からは「バッテリーセーバーを有効にする」といったスキルにも対応する予定。

「バッテリーセーバーを有効にする」といったスキルにも対応

 そのほかにも、同社は「Copilot」にアクセスするための専用キーを追加するようPCメーカーに働きかけている。また、ユーザーのフィードバックに応え、「Copilot in Windows」アイコンの更新と表示位置の変更デスクトップ右端へドッキングするのではなく、フロート表示にしてサイズを変更できるようにするといった改善も投入される見込みだ。

クリエイティビティアプリのアップデート

 さらに、OSの同梱アプリ(Inbox apps)に加えたAI機能が好評であるとして、2つの新しい機能が追加される。

 1つ目は「写真」アプリに追加される「ジェネレーティブイレース」(Generative Erase)だ。これは従来の「スポット修正」機能を発展させたもので、画像から不要なオブジェクトを選択して削除できる。キレイな夕焼けが撮れたのに飛行機が写っていて邪魔だという場合などに役立つ。

 この機能はx86版「Windows 11」だけでなく、Arm搭載デバイスや「Windows 10」にも展開される予定だ。

 2つ目は、動画編集アプリ「Clipchamp」に追加される無音部分の除去機能だ。ビデオトラックのうち会話のない部分をAIが自動で検出し、手軽に削除できるため、ビデオをコンパクトにしたいといったときに活用したい。

 この機能はプレビュー版として同日から提供が開始される。プレビューの終了とともに有料化される可能性がある点には注意したい。

そのほかの改善

 そのほかにも、音声ショートカットをはじめとするアクセシビリティ機能にもAIが積極的に活用される。Windows 11のウィンドウ配置機能「スナップ レイアウト」でも、レイアウトの候補選定にAIが使われている。

 加えて、企業向けには「Windows Update for Business」と「Windows Autopatch」を単一の更新管理ソリューションに統合し、簡素化するとのこと。ここでも必要な更新をプログラムし、チームの生産性への影響を軽減するためにAIの活用を進めていくという。