やじうまの杜

どこか注意書きなどで見たことのある、あのレトロなフォントがX/Twitterで話題に

その名も「機械彫刻用標準書体」、窓の杜ライブラリにも収録中

どこか注意書きなどで見たことのある、あのレトロなフォントが「X」(旧称:Twitter)で話題に

 どこか注意書きなどで見たことのある、あのレトロなフォントが「X」(旧称:Twitter)で話題になっていました。



 このフォントの名前は「機械彫刻用標準書体」といい、工業的な彫刻によって文字を作製するときの標準として、日本産業規格(JIS)に定められた書体なのだそうです。

 彫刻機を用いて書かれることを前提に設計されているため、原版が損耗しにくいよう、線の集中を避け、交わる角度を直角に近づけ、角を曲線とした字形になっていることから、独特の機能美を持っているのが特徴です。丸っこくてハネがなく、どこかかわいいですよね。それでいて読みやすくもあります。

彫刻機の模式図(作者サイトより引用)。こういうので書けるようにという技術的制約が、独特な機能美を生み出している

 この「機械彫刻用標準書体」のデジタルフォント化にあたっては、単にJIS規格票に示された字形をなぞるのではなく、漢字では独自の調整・改良が加えられているとのこと。オリジナルは手書き前提の不統一感があり、それがまたよいのですが、デジタルフォントとしては視覚的なバランスの悪さが引っかかります。そういうのを少しずつ直しているそうで、作者はこれを「令和の改刻」と呼んでいます。

 執筆時現在の最新版は、2024年1月リリースのv0.301。丸一年リリースがありませんが、根気のいる作業だと思いますので、静かに応援したいところですね! ダウンロードは、作者のサイトから無償で行えます。窓の杜ライブラリにも収録されているので、そちらからもぜひどうぞ。

ソフトウェア情報

「機械彫刻用標準書体」ベータ版
【著作権者】
Kim 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.301(24/01/27)