クリエイターが知らないと損する“権利や法律”
電話番号を出すのは危ない
~第6章:表現の自由って、どれぐらい自由なの?~
2016年9月6日 07:20
オンラインソフト作者に限らず、あらゆるクリエイターが創作活動を続けるために、著作権をはじめとして知らないと損する法律や知識はたくさんある。本連載では、書籍『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』の内容をほぼ丸ごと、三カ月間にわたって日替わりの連載形式で紹介。権利や法律にまつわる素朴な疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えする。
前回掲載した“エッチな表現がしたい”の続きとして、今回は“電話番号を出すのは危ない”というテーマを解説する。
電話番号を出すのは危ない
ミナゴロシだから、090-3756-4……続きどうしようかな。
語呂合わせですか?
あ、はい。今描いてる作品に登場する、殺し屋の電話番号を考えてたんですよ。
面白いアイデアではありますけど、電話番号として機能する数字をフィクションの中で表記する際は、少し気をつけた方がいいですよ。
出版社などでは、フィクションの中で電話番号を書くとしても、一部を伏せ字にしていたりします。
へ? なんでです?
誰かが、実際に使っている番号かもしれませんから。
あ、そうか。じゃあ自分の携帯番号書いておこうかな。
うーん、やはりやめておいた方が無難です。
電話番号の持ち主は変わる可能性がありますから。
えー? だって、番号ポータビリティがあるから、キャリアを変更しても同じ番号がそのまま使えますよね?
はい。ただ万が一、海外で暮らすとか不慮の事態で解約すると、電話の契約自体がなくなります。
その番号は、他の方が新規契約するときに利用可能になってしまいます。
あ……そうか、知らない人に迷惑かけちゃうのか。
メッセージアプリに、アドレス帳データを元にして友だち候補を表示する機能がありますよね。
数年前に亡くなった友人のデータをアドレス帳に残してあったので、その番号を引き継いだ見知らぬ人が友だち候補に表示された経験があります。
う、それは……辛いですね。
作品は自分の死後も残りますからね。
長期的な影響も考えておいた方がいいですよ。
虎は死して皮を留めるわけですね。
君は虎というか、猫ですね。
にゃーん。
次回予告
今回の続きとして次回は“デジタルコピーは劣化しない”というテーマを解説する。
原著について
『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』
(原著:鷹野 凌、原著監修:福井 健策、イラスト:澤木 美土理)
クリエイターが創作活動するうえで、知らないと損する著作権をはじめとする法律や知識、ノウハウが盛りだくさん! “何が良くてダメなのか”“どうやって自分の身を守ればいいのか”“権利や法律って難しい”“著作権ってよくわからない”“そもそも著作権って何?”といった疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えします!