はんこレス実現への基礎知識
無料で試用可能な主要電子署名サービス4選 ~どれを選ぶべき?
契約件数や契約相手の違いによって選ぶべきサービスは変わる
2021年5月24日 06:45
本連載では、3月3日に発売された“脱はんこ”を実現するためのノウハウが身に付く書籍『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』から、“脱はんこ”の実現に必要となる基礎的な知識が身に付くレッスンを抜粋してお届けします。書籍ではさらに具体的に主要な電子署名サービスの利用方法などを細かく解説しているので、ぜひご購入ください。
『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』では、主要な4つのクラウド型電子署名サービスの使い方を解説しています。それぞれがどのようなサービスなのかを確認しておきましょう。
Adobe Sign
Adobe Reader DCを提供しているAdobe社が提供するクラウド型電子署名サービスです。無料のAdobe Rader DC利用者でも一定の利用回数(毎月2通)まで電子署名を依頼することができます。ブラウザーからだけでなく、Adobe Rader DCからも署名を依頼できるのが特徴です。
契約書として利用できる文書形式は、サービスによって異なります。『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』で扱うPDF文書は、ここで取り上げたどのサービスでも対応していますが、Word文書は本書で説明するサービスのうち、Adobe Signやクラウドサインでは利用できません。
クラウドサイン
弁護士ドットコム株式会社が運営しているクラウド型電子署名サービスです。国内での利用者が多く、さまざまな企業での採用実績があります。シンプルで使い方がわかりやすいうえ、国内の法的事情にも素早く対応できます。月5件まで依頼を送信できるFreeプランも用意されています。
『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』で説明するサービスには、いずれも無料のプランが用意されています。利用期間や利用回数が限られているため、たくさんの契約が必要な環境では継続して利用することが難しくなりますが、個人や小規模なオフィスなら、そのまま利用することもできます。まず、無料プランで、自社の使い方に合っているかを検証してみましょう。
DocuSign eSignature
グローバルで大きなシェアを持つクラウド型電子署名サービスです。海外との契約が多い場合に適しています。「エンベローブ」などの独特の概念を知る必要がありますが、Officeアプリなどとの連携も充実しており、機能が豊富なのが特徴です。3通(年間)まで送信できる無料版を利用することもできます。
GMO電子印鑑Agree
国内で古くから電子署名サービスを手がけてきたGMOグループが提供するサービスです。クラウド型だけでなく、ローカル型(当事者型)の電子署名にも対応するなど本格的な機能をリーズナブルな価格で利用できます。無料で月に10通まで、署名を依頼できるお試しフリープランも用意されています。
どの電子署名サービスを使うのかは、環境や用途によって異なります。たとえば、海外との契約が多い場合はAdobe SignやDocuSignが有利ですが、改正が多い国内の法律にいち早く対応できるようにしたいときは、国内事業者が提供するクラウドサインやGMO電子印鑑Agreeが有利です。また、コストもサービスごとに異なります。サービスによっては、依頼できる件数に制限があったり、依頼ごとに送信料がかかったりするので、毎月、どれくらいの数の契約をするのかをあらかじめ見積もっておくことが大切です。