はんこレス実現への基礎知識

「電子印鑑」はもう古い! 安心・安全の電子署名を使うために必須の知識まとめ

「Adobe Acrobat Reader DC」の活用や必要なツールなどの情報を一挙紹介

 近年のペーパーレス化への流れに加え、新型コロナウイルスの影響で印鑑の電子化は喫緊の課題となっています。電子印鑑の需要も増えていますが、「Excel電子印鑑」のようなツールで捺した印影は複製も偽造も簡単なため、認印としては使えても正式な契約書などには使えません。オンライン上での契約書調印が増えている現在は、正式な契約には法的効力を持つ電子署名を利用するのが安心・安全です。

 本連載では、3月3日に発売された「脱はんこ」を実現するためのノウハウが身に付く書籍『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』から、「脱はんこ」の実現に必要となる電子署名関連の基礎的な知識が身に付く情報を抜粋してお届けしてきました。今回はこれまでお届けした情報を独自にまとめたものをお届けします。


「紙」と「はんこ」が不要になるかも! “はんこレス”ってどういうこと?

 契約や行政手続き、文書の確認、品物の受け取りなどで、今まで必要だった「紙」の文書と「はんこ」が不要になりつつあります。たとえば、宅配便をサイレンスで受け取れるようになったり、確定申告などの手続きをオンラインでしたりと、身の回りでも「はんこ」を使わずに済む機会が増えてきました。社会的情勢の変化によって、出社を控えるテレワークが普及したり、人と接触する機会が減ったりしたことがひとつのきっかけですが、今まで当たり前だと思われてきた業務の非効率さや手続きの複雑さを見直そうという動きが、「紙」や「はんこ」を使う機会が減ったことの本質です。

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電子サインには2種類あるって知ってた?

 「電子印鑑」はひと口に言えば、印影の画像ファイルです。「はんこ」の見た目である「印影」を画像ファイルとして、スキャナーやWebサービスを使い、自分で作成して、文書に貼り付けることができます。どんな文書にも使えて手軽ですが、その電子印鑑が本当に本人のものなのか、電子印鑑が貼り付けられた文書の内容が契約後に改ざんされていないかを証明することは困難です。どちらかというと、文書の内容確認したという意味で押す「認印」として社内の回覧などに使うのに適しています。

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印鑑の電子化には何を用意すればいい? 無料で使える電子署名もある

 電子的な「はんこ」を使う方法は大きく分けて2通りあります。ひとつは社内回覧などで、認印として使える「電子印鑑」を使う方法、もうひとつは外部との契約など公式な文書でも使える「電子署名」を使う方法です。『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』ではどちらの方法も解説していますので、それぞれに対応する章を参照してください。

 続いて、はんこレス必要なものをそろえましょう。認印として社内回覧などで使える電子印鑑は、PDF形式の文書を扱うPDFソフトや印影の画像ファイルを用意するだけで、すぐにはじめられます。文書形式として一般的に普及しているPDFや普段文書の作成に使っているWordなどには、印影や画像ファイルを貼り付ける機能が搭載されているので、その機能を使って、はんこの画像を貼り付ければ、認印として使えます。

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電子署名だけの契約って法律的に大丈夫? 電子契約の法的な位置付けや契約書の補完

「この仕事をしてください」

「はい、わかりました」

 このように、私たちの身の回りでは、口頭での契約がなされることが多くあります。民法上は原則として、契約は申込と承諾があれば成立しますので、こうした口頭での契約も有効です。しかし、何も証拠がなければ、後々、争いになることも少なくありません。そこで、通常は書面で条件を指定したり、はんこやサインをしたりすることによって、契約が本人の意志に基づいて行なわれたことを明らかにするのが一般的です。

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印鑑の電子化を始めるにはまず紙の電子化から!

 まずは、身の回りにある紙の文書をデジタル化することから始めましょう。シンプルに紙の文書をWordやExcelを使ってデータ化し、それを扱いやすいPDFへと変換します。文書がPDF化されれば、それを共有したり、クラウドストレージで保管したりすることが手軽にできます。いわゆるペーパーレスの実現ですが、デジタル技術で業務やビジネスを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩には欠かせません。

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「電子署名」と「電子証明書」の混同に注意!

 『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』では「電子署名」や「電子証明書」という言葉がよく登場します。これらはそもそもどんなもので、どういう違いがあるのでしょうか?

 わかりやすくたとえると、「電子署名=はんこ」で、「電子証明書=印鑑証明」です。詳しい内容は別の回で解説しますが、電子署名は文書に付与されるデジタルデータです。元の文書から生成されたハッシュ値と呼ばれる文字列を暗号化した値となります。暗号化には所有者の暗号鍵が使われ、暗号鍵と対になる公開鍵でしか復号化できません。つまり、文書に付与されている電子署名は、その生成元になった暗号鍵を持っている本人しか作れない印鑑と同じような役割を果たします。

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「Adobe Acrobat Reader DC」の活用は紙の電子化の第一歩

 はんこレスで効率良くビジネスを進めるには、電子はんこや電子署名などが注目されがちですが、それ以前に、準備しておきたいのがPDF形式の文書を扱うための環境です。PDFは汎用的な文書フォーマットのひとつで、OSやハードウェアなどを問わずに利用できます。ここではPDF文書を閲覧するためのアプリとして、Adobe Acrobat Reader DCをインストールし、PDFの閲覧と注釈の追加についても説明しましたが、Adobe Acrobat Reader DCにはこの他にも数多くの機能が搭載されています。

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電子署名サービスで作成した証明書の有効期限に注意!

 クラウド型の電子署名サービスを利用すると、オンラインで簡単に文書への署名を依頼することができますが、ここで作成した文書は、いつまで保管してもらえるのでしょうか? 実際の期間はサービスによって異なりますが、サービスを契約している期間内であれば、基本的には永続的に文書が保管されます。

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電子署名には2つのタイプがある! 立会人型と当事者型の違いとは?

 電子署名の方法は、『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』で取り上げている立会人型(クラウド型)と当事者型(ローカル型)の2種類があります。この2つの最大の違いは、「誰の電子証明書を使って電子署名をするか」です。

 立会人型は契約の当事者がクラウドサービス上で同意のやり取りをし、その経緯をクラウドサービス上で記録し、その経緯や文書そのものにクラウドサービス事業者の電子証明書を使って、電子署名をします。つまり、電子証明書が必要なのは、立会人であるクラウドサービス事業者だけとなります。一方、当事者型は、契約する当事者が自分の電子証明書(マイナンバーカードの電子証明書など)を使って、署名します。

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無料で試用可能な主要電子署名サービス4選 ~どれを選ぶべき?

 『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』では、主要な4つのクラウド型電子署名サービスの使い方を解説しています。それぞれがどのようなサービスなのかを確認しておきましょう。

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 『できるはんこレス入門 PDFと電子署名の基本が身に付く本』ではさらに具体的に主要な電子署名サービスの利用方法などを細かく解説しているので、ぜひご購入ください。