PDFのワクチン接種申請書に必要事項を記入! 世界初のPDF追記アプリ「AxelaNote」の活用事例

どんなPDFでも編集できる「AxelaNote」で紙の使い勝手を実現

どんなPDFファイルにも「追記」できる「AxelaNote」。タッチ操作やペン操作に完全対応する

 長引くコロナ禍で、ITによる業務変革は待ったなしだ。テレワークへの対応として「とりあえずPDFで保存」として、ペーパーレス化を進めている人も多いだろう。

PDFの教本に手書き感覚でメモを書き込める

 しかし、PDFは紙と違い、書き込みや編集を前提としていない。紙と同じ使い勝手を求めると、逆に非効率になる部分もあるが、そうした状況を解決できるのが、今回紹介するPDF追記ソフト「AxelaNote」(アクセラノート)だ。

スキャナーでPDF化した書類にも必要事項を記入可能

 その大きな特徴は「編集禁止のPDFに追記できる」こと。詳細な機能は昨年12月に一度紹介しているが、実はこのソフト、「ユーザーの声をもとにした機能向上に力を入れている」(開発元のTransRecog)のもポイント。そして、機能向上とあいまって、AxelaNoteの注目度はさらに上昇、大手企業や官公庁、自治体などでの導入も進んでいるという。

原稿の校正でも活躍

 そこで今回は、前回レビューから追加された新機能や、具体的な活用法、そして今後のビジョンなどを、同社代表取締役の小林敬明氏に聞いてみた。「ペーパーレス化のポイント」もあわせて聞いてみたので、ぜひ参考にしてほしい。


「AxelaNote」は「編集しない」から「追記できる」

原本となるPDFファイルに重ねた「透明なシート」に追記する(プレスリリースより引用)

 「PDF」にはいろいろな状態がある。自分で作成したPDFファイルなら、一般的なPDF編集ソフトで問題なく扱える。しかし、謄本などの公的な文書や設計図面などのPDFでは、注釈や編集が制限されているものもある。改ざんを防ぐために当然なのだが業務では困ってしまう。そこで「AxelaNote」を使ってみたい。

 「AxelaNote」の特徴は、PDFファイルそのものを「編集しない」ことで、どんなPDFファイルにも「追記できる」ことだ。矛盾して聞こえるが、修正指示などの赤字は原本となるPDFファイルに重ねた「透明なシート」に書き込むことで実現する。

 追記用のツールも豊富で、ペンの色や太さ、よく使う記号などが一通り用意されている。ボタンにマウスポインターを合わせた時に表示されるオプションを選択するだけなので直感的に操作できると思う。

編集を制限されたPDFファイルのセキュリティ設定画面。このようなPDFは、一般的なPDF編集ソフトでは「追記」できない
下方向や右方向に展開するオプションでツールを切り替える

 「AxelaNote」の基本的な機能については、以前の記事「ペーパーレス化の頼もしい味方!世界初のPDF「追記」アプリ「AxelaNote」の魅力とは」を参考にして欲しい。


紙の使い勝手をPDFで実現してペーパーレス化する「AxelaNote」

 ペーパーレス化社会における「AxelaNote」の使いどころは? 最近の反響と今後の見通しについて、(株)TransRecogの代表取締役 小林敬明氏に伺った。法人でも個人でも、さまざまな利用方法があるようだ。


官公庁や製造業、不動産関連でも注目される「AxelaNote」

(株)TransRecog代表取締役 小林敬明氏

――以前の記事を掲載してからの反響はいかがですか?

[小林氏]法人の注目度がアップしました。PDFに書き込みできることの需要もありますが、AxelaNoteは表示が崩れず、タッチ操作やペン操作に完全対応しています。現状そのようなソフトはないので、実務で使えそうだと思っていただけたのではないかと考えています。

――なるほど。ユーザーの幅が広がってきたという実感はありますか?

[小林氏]今までは印刷業や建築業の方にお使いいただくことが多かったのですが、最近では、他の業種でも注目されるようになってきました。例えば、製造業の現場でペンタブレットPCを利用して図面に書き込んだり、作業の手順書と実際の作業との差分を追記したりされています。

――AxelaNoteの製品コンセプト通りですね。

[小林氏]そうですね。機動性を求める業界の方にもおすすめです。タッチ操作やペン操作でPDFに書き込めるので、年齢問わずにご利用いただけます。

――官公庁での導入は増えましたか?

[小林氏]はい。官公庁や自治体での大型受注が増えました。原本となるPDFファイルを編集せずに書き込みできるというAxelaNoteの特徴が受け入れられており、手ごたえを感じています。

――官公庁で扱う情報の性質上、原本のPDFを触らないAxelaNoteは最適ですね。法人のペーパーレス化にかなり貢献されているのではないでしょうか?

[小林氏]最近、問い合わせが増えているのは、不動産関連の図面や書類への書き込みです。紙の資料が膨大になりがちな業界ですから、AxelaNoteをぜひ活用いただければと思います。


資料へ書き込みや添削からコロナワクチン接種の申し込みにまで活躍

――個人ではどのような使われ方があるのでしょうか?

[小林氏]幅広い年齢層の方にお使いいただいています。例えば、学生はオンライン授業で配布された資料にメモの記入、先生方は提出物の添削などに利用されています。個人事業主の方は、領収書の証憑書類チェックや確定申告にも利用されているようです。

――リモートワークでもAxelaNoteは便利ですよね?

[小林氏]部下から受け取った資料の添削のほか、修正指示をオンラインミーティングで書き込むという使われ方が多いです。重ねた「透明なシート」は独立していますから、正しく修正されているかどうかの確認も簡単です。

 コロナ禍なので、オンラインセミナーなどの資料を印刷せずに、メモをPDFに書き込んで保存できるメリットは大きいでしょう。在宅作業で紙を増やしたくない方にも好評です。

――ペーパーレス化に役立ちますね。

[小林氏]変わった使い方としては、見積書にある「見積書」の文言を白塗りして「注文書」に書き換えている方も。あと個人では、金融機関や官公庁に提出する書類への利用シーンが多いですね。年金の請求手続きやコロナワクチン接種の申し込みなどに使われる方もいます。

――どんなPDFにでも書き込めるAxelaNoteならではの使い方です。


ユーザーの声を反映してPDFのページの差し替えや回転ができる付属ツールなどを追加

――これからのAxelaNoteについて教えてください。

[小林氏]皆さまからのフィードバックに対して順次機能追加を図っております。例えば、小さい認印を捺せるようにしたり、テキストボックスに外枠をつけられるようにしたりと幅広い声に応えてきました。また、今年の4月には、PDFのページの差し替えや回転ができる付属ツールの「AxelaMerge」をリリースしました。今後も引き続き、機能拡充していきたいと考えています。

――AxelaNoteへの期待がますます高まります。ありがとうございました。

 なお、バージョンアップによる追加機能については、同社のリリースノートで確認できる。


導入事例で見るAxelaNote

 実際のユーザーの声をまとめて見ていこう。AxelaNote導入のきっかけとペーパーレス化の効果について教えてもらった。やはり原本となるPDFを「編集しない」ことを評価されている方が多いようだ。


導入事例1 受講者が研修マニュアルにメモ書き ~講習の質向上に

 多数の研修講座において、テキストの印刷コストの削減が課題。特に社外秘のPDFには注釈・印刷禁止の制限があり、受講者がメモできずに困っていた。

豊富なツールでメモできるので講習の理解度が向上した

 印刷コストの削減に成功。ペーパーレス化によって受講者のテキスト持ち運びが容易になった。豊富なツールで書き込みできるので理解度も向上している。また、印刷物や社外ネットワークからの情報漏洩防止にも効果があった。


導入事例2 紙をスキャンしでPDF化した提出書類に必要事項を記入

 紙の原本をコピーして手書きで記入、その紙を再びスキャンしてデータ化することに無駄を感じていた。

スキャンした原本はそのまま残せて、フォーマットが変わっても追記データは流用できる

 AxelaNoteで記入すれば、スキャンした原本はそのまま残る。申請書など、次年度にフォーマットが変わっても、AxelaNoteで作成済みの「追記データ」が流用できるのが便利。履歴書や役所に提出する書面にも使える。ほかにもPDFで購入した電子書籍にメモを書き込んだりするときにも利用する。


導入事例3 「メモ」と「原本」の分離で、業務の混乱を防止、セキュリティ向上も

 テレワークを推進する中で、配布する資料や冊子などの校正時に使う「紙とペン」に代わるツールを求めていた。また、申請書類の審査の業務では、外部のクラウドサービスは利用できない。

持ち出し禁止の書類も、AxelaNoteとリモート接続で処理できる

 手書きの操作性が良い。原本のPDFファイルを編集しないため、操作ミスによる情報の混乱も避けられる。職場のパソコンにAxelaNoteをインストールして、リモート接続することでセキュリティ面の課題もクリアした。場所にとらわれずに業務に集中できる。


導入事例4 編集禁止の公的文書にメモが残せる

 公的文書の原本を残すための作業が煩雑だった。コピーした紙へメモ書きしたり、スキャンしてPDF化後にオリジナルデータのコピーを繰り返しており、スマートにペーパーレス化できるツールを探していた。

スキャンしたデータがそのまま残る。複数人によるメモ書きもAxelaNoteなら簡単

 紙のコピーが不要になりペーパーレス化につながっている。一般的なPDF編集ソフトの注釈機能ではコメント履歴が残るが、AxelaNotが更新するのは、axlファイルだけ。PDFファイルがそのまま残るので、安心してメモ書きできる。複数人での作業にも活用できる。


導入事例5 原稿の校正ツールとして便利。修正チェックも容易

 校正作業で、複数人のコメント履歴が入り交じったPDFファイルを閲覧しながらの作業は効率が悪い。もっと使えるアプリはないか。

紙に手書きしている感覚で操作できる。修正後のファイルとの比較も容易

 ペーパーレスで、PDFの原稿データに手書きで校正できるのは助かる。いわゆる注釈機能を使った手書きよりも操作性がいい。修正後のデータにaxlファイルをかぶせる修正チェックは効率的だ。書籍の校正では、書き込み履歴をCSVで出力できるので、修正確認の精度も上がる。


導入事例6 「正式な図面」と「現場のメモ」を分離、責任区分を残したまま図面を活用

 図面データを印刷してチェックバックや指示をペンで記入、再びスキャンする手間が膨大。元の図面データに直接書き込むソフトでは責任区分が不明瞭になるため使いにくく不便だった。

図面データの管理が容易になり作業効率が大幅に向上した

 手書きのための印刷が減りペーパーレス化した。元の図面データを傷つけないのが一番のメリット。機能がシンプルで作業に集中できるのも評価できる。元のデータとチェックバックした結果を混同することもなくなった。


印鑑枠の追加機能や他アプリからのコピペ対応など積極的なアップデート

 インタビューでも触れられていたように、AxelaNoteはユーザーからの声に応えて順次機能が追加されている。以前の記事から半年経っていないが、使い勝手が向上したと感じる。新機能をいくつかピックアップしてみた。

 スタンプツール関連で追加されたのが「印鑑枠」だ。報告書などで電子印鑑をよく利用する方は、PDF上で枠を追加できるメリットを感じると思う。

画面右上の歯車のアイコンから[スタンプ設定]をクリックして表示されるスタンプ設定画面。「印鑑枠」の名称を任意で設定できる。小さいサイズの印鑑も指定できるようになった
[線]ツールの▼をクリックして[スタンプ]-[枠版]を選択する
任意の位置をクリックして「印鑑枠」を追加する。サイズや位置は変更可能だ

 「しおり」機能は、PDFファイルにしおりが設定されている場合に有効だ。画面右上の[ページ設定]から[しおり]を選択すると、しおりの一覧が表示されてジャンプできる。

「しおり」の設定されているPDFファイルで有効。画面右上の[ページ設定]から[しおり]を選択する
一覧からジャンプしたい「しおり」を選択する

 注目の新機能は、AxelaNoteの付属ツール「AxelaMerge」だ。PDFファイルのページの追加・削除、回転、入れ替えなどの操作が可能だ。ライセンスはAxelaNoteと共通、インストールも同時にされる。トライアル期間中でも利用可能だ。

AxelaNoteの[メニュー]ボタンから[AxelaMerge]を選択する
右クリックして表示されるメニューから、ページの操作が可能だ。

 他のアプリからテキストをコピー&ペーストする機能も地味だが見逃せない。多くのアプリで使われる[Ctrl]+[V]のショートカットでAxelaNoteに貼り付け可能だ。校正時の全文差し替えの指示などに重宝するだろう。

テキストエディターなどの他のアプリでコピーしておいたテキストをそのまま貼り付け可能だ。

 細かな改善点として、[線]ツールと[四角]ツールの統合、フォントの種類・サイズの表記の変更、太字、斜線、下線の指定などがある。オブジェクトの線種も指定できるようになった。全体的に洗練された印象だ。

 詳しくは、同社のリリースノートに掲載されている。


14日間無償で使用可能で、IT導入補助金も利用できる

 こまめなアップデートによる機能改善・追加は助かる。AxelaNoteの大きな特徴である「追記」の機能も洗練された。付属ツールの「AxelaMerge」の登場により、ページの追加・削除、回転、入れ替えも可能になり、もはや隙なしだ。

 月額429円(税込み)と年額4,290円(税込み)の2パターンで契約できて導入コストも低い。メインのPDF編集ソフトとしておすすめできる。一度使ってみてはいかがだろうか。本稿執筆時点で無料のトライアル期間は14日間となっている。

 法人の方は、AxelaNoteがIT導入補助金の対象ツールであることにも留意したい。導入コストの最大2/3・450万円までの補助金を申請できる。詳しくは、同社のブログで紹介されているので参照して欲しい。

[制作協力:テックウインド株式会社]