生成AIなら「ゲーミングノートPC」!

「Copilotキー」は結構イイ! 超高性能なゲーミングPCを仕事でも使ってみた!

Copilotキー

 高性能&大画面ノートPC「AORUS 16X (2024)」でAIを使い倒す本連載。

 第1回は画像生成AI、第2回はテキスト生成AIを取り上げたが、今回はマイクロソフトのAI機能「Copilot」を中心に、ビジネス利用という切り口でのレビューを紹介する。

「AORUS 16X (2024)」。ハイパワーなCPUとGPUを搭載したGIGABYTEのゲーミングノートPCだ。画面は16インチ(2560×1600ピクセル)の超スリムベゼルで、重量は2.3kg。付属ソフト「GIGABYTE Control Center」では、性能や動作音のバランスを設定できるが、その中にはAI用設定である「AI Nexus」タブも用意されている。

 仕事をする上でのこのPCのポイントは「とても高性能なこと」と「Copilotキーがあること」だ。

 前者については、最新ゲームが楽しめる余裕の高性能ぶり。前回、前々回にお伝えしたようにGPUでローカルAIも活用できる。また、ゲーミングPCだけあって音質も良い。ウェブカメラは1080pの高画質なうえ、Windows Helloの顔認証ログインにも対応……と至れり尽くせりだ。PCの処理性能が高いのでウェブ会議でもストレスなく会話できるし、相手にも高画質の映像を処理落ちせずに送信できる。

 では、Copilotキーはどうなんだろうか?という点を順に紹介していこう。


とにかくわかりやすい「Copilotキー」

GeForce RTXとCore i9のエンブレム

 今回レビューする「AORUS 16X (2024)」のCPUはインテルのCore i9-14900HX。今年1月に発売された第14世代のプロセッサで、最大5.8GHz動作が可能だ。グラフィックスはNVIDIAのGeForce RTX 4070 Laptop GPU 8GB GDDR6となり、フルHDの高フレームレートで様々なゲームを快適にプレイできる性能を持っている。

 メモリーは32GB搭載し、OSはWindows 11 Proを採用。当然のように、Windows 11は超快適に操作できる。国内モデルの型番は「AORUS 16X ASG-63JPC65SP」だ。


30年ぶりの「新しいキー」

 キーボードにはマイクロソフトが今年1月に発表した「Copilotキー」を搭載。マイクロソフトが推進するAI支援機能「Microsoft Copilot」の「Copilot in Windows」を一発で起動するためのものだ。Windows PCのキーボードに新たなキーが搭載されるのはなんと30年ぶりのこととなる。

「AORUS 16X (2024)」のキーボード配列。Copilotキーは最下段やや右側についている。「Copilotキーのせいで、周囲のキーが変態配列になっている」なんてことはないので安心だ。ちなみにキーボードはバックライト付き。ゲーミングPCなので、WASDキー周りは特別仕様だ

 Copilotキーを押せば、即「Copilot in Windows」がデスクトップ右側に開き、AIに質問したり、作業を指示したりできる。

 Copilotキーを使わなくても、「Copilot in Windows」は起動できるが、キーがあることでとにかくわかりやすい。操作方法としては「押せばCopilotが起動し、そこで入力すればCopilotが対応してくれる」ことになる。入力は音声でもできるので、あまりPCに慣れていない人に説明するのも簡単だ。


これからのPCには必須?

近い将来、「Copilot in Windows」はアプリ化する。Copilotキーなら引き続き一発起動できるが、ショートカットキーは廃止される見込みだ(この画面は、Windows Insider Programを導入した別PCのもの)

 「Copilot in Windows」のそのほかの起動方法としては、スタートメニューをたどる普通のやり方や、ショートカットキー(Win+C)、ツールバー右端のアイコンを使うやり方も現在はある。

 ただし、ショートカットキーとツールバーのアイコンは、今後、廃止される予定で、すでにWindows Insider Program向けにリリースもされている。

 これは、「Copilot in Windows」が「OS統合機能」扱いから「普通のアプリ」扱いに変更されることによるもので、代わりに、普通のウィンドウとしてリサイズしたり、位置を変更したりできるようになるメリットがあるのだが、代わりにCopilotキーがないPCでの使い勝手は一歩後退してしまう。

 つまり、これからのPCはCopilotキーが必須になる、といってもいいだろう。

 なお、「Copilot in Windows」のAIモデルは、OpenAIの「GPT-4 Turbo」。Windows 11ユーザーなら無料で利用できるのが嬉しいところだ。

Copilotキーを押すと、右側に「Copilot in Windows」が開く。


「Copilot in Windows」をビジネスで活用するプロンプト

 さて、ここからは「Copilot in Windows」の活用方法を紹介していこう。

 まず「Copilot in Windows」はマイクロソフトのクラウドサービスなので、応答速度や品質はPC性能に左右されない。とは言え、複数のアプリを起動して、業務を行う中で「Copilot in Windows」を利用する際は、CPUやGPUの性能が高い方が快適に操作できる。

 もちろん、「AORUS 16X (2024)」はどんなアプリでも軽快に動作する。16インチの大画面にWordやExcel、画像編集アプリ、ZoomやTeamsを開いていても問題なし。

 そして、Copilotキーを押せば瞬時に「Copilot in Windows」が開く。

「Copilot in Windows」の入力部分。キーボードで入力してもいいし、音声認識で入力してもいい。Copilotキー一発で開けるのは便利だし、詳しくない人に「AIの使い方」を説明するのも簡単だ。

 画面が出たら、Copilotに色々なプロンプトを入力していけばいい。

 今回は業務を便利にする「Copilot in Windows」の活用法をいくつか紹介してみよう。

 なお、プロンプトを入力する前に会話のスタイルを選択する。通常は「よりバランスよく」を選択しておけばいいだろう。小説や詩を書く時のサポートは「より創造的に」、具体的な回答を簡潔に書いてほしいなら「より厳密に」を選択する。

 また、「Copilot in Windows」は端をドラッグすることで表示幅を調整することができる。ここでは、見やすくするために最大限広くしている。


Webブラウズ中にCopilotキー「要約してください」

 Edgeブラウザーでウェブサイトを閲覧している際、内容が理解しにくいページに遭遇したら、すかさずCopilotキーを押し、「このウェブページの内容を要約してください」と入力しよう。

 すぐにEdgeのアクティブタブを検索し、要約してくれる。英語のページも日本語で要約してくれるので、海外の最新情報を収集する際にとても役立つ。

 なお、「Copilot in Windows」がアプリ化されると連動できなくなるので、その場合は、URLをコピー&ペーストして解説してもらえばいい。

Edgeで表示中のウェブページを短いプロンプトで要約できる。
アプリ化されたら、URLも一緒にプロンプトに入れ込む必要がある。


仕事の探し物もCopilotキー「xxを探しています、候補とポイントを教えて」

 「Copilot in Windows」はリアルタイムにインターネットを検索し、その結果を整理して答えを教えてくれる。

 検索するだけではわからない情報も教えてくれるし、調べ方がわからなくても、チャットすることでAIが推測して情報を探してもらえるのでとても便利だ。

 Copilotキーを押し、例えば「業務システムを構築するためのノーコードツールを探しています。候補を3つ挙げて、比較ポイントを教えてください」と入力してみよう。あっという間に、開発環境やテンプレ、連携性、サポートといったポイントについて、3つのサービスそれぞれの解説を生成してくれる。自分で検索して作業していては何時間もかかるので、大幅に時短できる。

 一般的な生成AIは学習に使ったデータの内容しか扱えず、ネットの情報を直接利用できないものも多いが、最新情報を扱えるのはやはり便利だ。また、生成AIはハルシネーションといって、事実ではないことをそれらしく出力することがあるが、「Copilot in Windows」であれば参照したウェブサイトのリンクが付いているので、内容を検証することもできる。

Copilotに最新情報を質問できる。


イラストが欲しい時もCopilotキー「xxの説明イラストを生成してください」

 プレゼン資料にイメージカットを入れたいときにも「Copilot in Windows」は便利に使える。

 社内向けだったり、小規模な勉強会で使う簡単な資料のために画像ストックサービスから購入するわけにもいかないし、無料で利用できる画像素材もぴったりの画像があるとは限らない。

 そんな時は、「Copilot in Windows」に指示して生成してもらおう。あまり細かい指定はできないが、イメージカット程度であればすぐに用意できる。もちろん、自分で生成した画像は商用利用できる。

 例えば「ランサムウェアの脅威」というプレゼンに入れるイラストが欲しい時には、「サイバー犯罪者が企業のPCを狙っているという説明イラストを生成してください」と入力すればいい。

プレゼン資料で使うイラストを生成できた。サムネイルをクリックするとブラウザで大きく表示できる。


強力なCPUやGPUを搭載、仕事も余裕

「AORUS 16X (2024)」。

 以上が、「AORUS 16X (2024)」をビジネスユースで使ってみたレビューとなる。

 一般的なビジネスユースの処理は非常に快適で、その上で「Copilotキー」の便利さがあるのが「AORUS 16X (2024)」のポイントだ。

 なお「AIを使えるビジネス向けPC」としては、マイクロソフトが先ごろ「Copilot+ PC」を発表。Snapdragon Xシリーズ(ARMアーキテクチャ)を搭載した各社の製品が6月から発売されている。「Copilot+ PC」は軽いAI処理を省電力で実行できるAI処理プロセッサ「NPU」を搭載しており、オンラインミーティングの背景ぼかしなどの、軽いAI処理の電力消費が大きく削減、バッテリー駆動時でも軽いAI処理を活用しやすくなった。ただし、本連載で紹介したような画像生成AIや大規模言語モデル(LLM)といった重い処理をしっかり動かすには、NPUの性能では足りず、やはりGPUが必要になる。

 その点、「AORUS 16X (2024)」は強力なCPUとGPU、高速なメモリーを搭載し、AIをローカルで動作せられる性能を持ちつつも、CPUにはインテル製を採用。今まで使っていたアプリやゲームも当然、問題なく動作する。

 また、CPUとGPUのパワーに余裕があるため、多数のアプリを開いて、パラレルに仕事をしていても余裕綽綽。広い画面でサクサクと業務を遂行できる。ゲームはもちろん、ビジネスでも、AIでも、全方位にに使えるPCを探しているなら「AORUS 16X (2024)」を検討してはいかがだろうか。

【生成AIなら「ゲーミングノートPC」!】記事一覧

【1】「画像生成ガチャ」をゲーミングPCでやってみた!
【2】ノートPCでLLMを動作!とってもプライベートな相談をしまくってみた
【3】あの「Copilotキー」は結構使える! AIも使える超高性能PCを仕事でも使ってみた!