【第10回】
ミラーサイト (mirror site)
(01/06/13)
窓の杜のソフトライブラリに収録されているオンラインソフトを利用するうえで、ぜひとも知っておきたい用語を解説します。解説内容は窓の杜ソフトライブラリを利用できる範囲とします。
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同じものがいくつもミラーされている |
あるサイトのコンテンツを全く同一にコピーしたサイト。ホームページをコピーしたWebミラーサイトと、ソフトのアーカイブファイルをコピーしたFTPミラーサイトがある。窓の杜では、ソフトライブラリのダウンロードサイトがFTPミラーサイトにあたる。
たとえば、ハンバーガーチェーンのチーズバーガーを買いにいくとしたら、隣の駅にある店より、自宅の最寄り駅にある店を利用するほうが、同じものを早く入手できる。また店まで行くときの経路も、信号がたくさんある道よりも、なるべく止まらずに行くことができる道を選ぶほうが早いだろう。通る道も、細くてすれ違うのが大変な道より、歩道が広い道路のほうが、目的地に早く到達できる。
これと似たことが、インターネットにも当てはまり、目的のサーバーまでいくつも中継するサーバーがあったり、途中の経路に通信速度の遅い部分があると、データの転送が遅くなる。インターネット上での距離は、地理的な距離とは一致せず、中継点が多かったり、経路の途中が細かったりすると、“ネットワーク的に遠い”ことになる。そこで自分が加入しているプロバイダーにミラーサイトが置かれていると、ネットワーク的に非常に近くなってデータの転送が速くなるため、同じコンテンツでも素早く入手できることになる。加入しているプロバイダーにミラーサイトが置かれていない場合は、なるべく近いミラーサイトを探すとよいだろう。
ミラーサイトは、サイト運営者がメインサイトを更新すると、定期的にミラーサイトの情報も更新されるようになっている。ただし、メインサイトと情報を同期させる“ミラーリング”の頻度によっては、メインサイトとミラーサイトの間にコンテンツの時差が生じることがある。ミラーサイトを利用した際にコンテンツが更新されていなかった場合は、しばらく待ってみるか、メインサイトにアクセスしよう。
そのほか、ミラーサイトをユーザーが積極的に利用すれば、過剰アクセスによるサーバーの負荷分散や、トラフィック増加による通信の混雑を緩和することができる。また、ミラーサイトが設置されていれば、仮にメインサイトがダウンしても、ユーザーはミラーサイトからコンテンツを入手することができる。
また、ダウンロード支援ソフトの中には、ミラーサイトを検索できるものもあり、自動的にレスポンスのよいミラーサイトを選んでダウンロードすることが可能だ。最近では、ケーブルテレビやADSLのユーザーが増加し、サイトとユーザー間の通信環境は向上しているものの、サイトへのアクセス頻度も高くなり、サーバーの負荷を分散させる方法の一つとして、ミラーサイトの重要性が高まっている。
(窓の杜編集部/イラスト:石岡 友里)