【第14回】
DLL (Dynamic Link Library)
(01/07/11)
窓の杜のソフトライブラリに収録されているオンラインソフトを利用するうえで、ぜひとも知っておきたい用語を解説します。解説内容は窓の杜ソフトライブラリを利用できる範囲とします。
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組み合わせて使うようにできている |
プログラムの一部の機能を別ファイルに分けてファイル化したもの。EXE形式の実行ファイルが呼び出すことで、その機能を利用できる。拡張子が「.DLL」で見た目にすぐわかる。DLLファイルに含まれる機能が必要になったときに呼び出されるため、プログラム実行時のメモリを節約できるなどのメリットがある。DLLファイルを必要とするソフトでは、DLLファイルがないと動作しなかったり、正しく機能しない場合がある。
プログラムに必要な機能をすべてEXEファイルに盛り込んだ場合、すべての機能がメモリに読み込まれる。これに対し、機能をDLLファイルから読み込むソフトでは、DLLに含まれる機能が必要になったときにだけメモリに読み込むことが可能なため、メモリ領域を節約できる。また、複数のプログラムが同じDLLファイルを必要とする場合でも、メモリ上に読み込まれたひとつのDLLを複数のソフトが使用できる。
窓の杜ソフトライブラリの圧縮・解凍ソフトには、圧縮形式ごとに専用のDLLファイルを必要とするものがあり、これらを使用する場合は圧縮・解凍DLLが必要となる。“UNLHA32.DLL”をインストールすればLZHファイルを解凍でき、“UNZIP32.DLL”でZIPファイルを解凍できるようになるなど、DLLファイル単位で機能を追加できる。逆にいえば、必要な機能のみをダウンロードすることが可能だ。また、DLLファイルは複数のソフトから共通して利用できるため、繰り返しダウンロードする必要もない。
またソフト作者にとっても、DLLファイルで含まれる機能はプログラムから呼び出すことで実現できるため、ソフト開発の労力を軽減でき、ユーザーインタフェイスやDLLファイルで実現されていない新機能の開発に力を注ぐことができる。過去にあるソフトで実現された機能が後日DLLファイルとして提供されることで、DLLファイルの機能を利用したさらに新しいソフトが開発されるなど、DLLファイル自体もソフトと同様に立派な作品と言える。
圧縮・解凍用のDLL以外には、VBやVC++、Javaなどで作成されたソフトを実行するためのランタイムライブラリがある。また、Windowsにも数多くのDLLファイルが含まれている。なお、DLLのファイル名が同じでも、作成日付やバージョンが異なるとソフトが動作しない場合もあるため、常に最新のものにアップデートしておこう。
(窓の杜編集部/イラスト:石岡 友里)