【第13回】
ランタイム (runtime)
(01/07/04)
窓の杜のソフトライブラリに収録されているオンラインソフトを利用するうえで、ぜひとも知っておきたい用語を解説します。解説内容は窓の杜ソフトライブラリを利用できる範囲とします。
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共通部分を利用して効率よく |
ソフトが動作するうえで共通の土台となるファイル。さまざまなソフトで土台部分を共有することで、ソフト作者には開発の効率化や配布ファイルの縮小、ユーザーにはダウンロード時間の短縮やハードディスク資源の節約などのメリットがある。ランタイムのバージョンが異なったり、インストールしたつもりでもファイルが不足している場合はソフトが動作しないため、初心者にはややわかりづらい。窓の杜では、特殊なランタイムが必要な場合はソフト紹介文中に明記している。
Visual BasicやJavaなどのプログラミング言語では、ソフトを開発しやすいように、よく使われる機能をまとめたファイルが用意されている。ソフト作者はこれを利用すると全体的な開発労力を軽減できたり、作者のオリジナル部分の開発に注力できるなどのメリットがある。またユーザーも、ランタイムのファイルをインストールしておけば、次回からランタイム必須のソフトをダウンロードする際にランタイムなし版を選ぶことでダウンロードの時間を短縮できる。
たとえば、2~3人でキャンプに行くときに、テントはひとつあれば十分で、ひとりずつ用意する必要はないだろう。食料や炊事道具なども分担して用意するのが普通だ。これらをそれぞれ全員が用意したら、無駄も労力も多い。ソフトに話を戻せば、共通部分を共有する発想は、ハードディスク資源やダウンロード時間の節約につながるというわけだ。
Visual Basicの場合、ランタイムは新しいものは古いものを兼ねないので、ランタイムのバージョンが異なるとソフトが動作しない。Visual Basic 5で開発されたソフトは、Visual Basic 5のランタイムを必要とする。また、Visual Basic 6のランタイムがインストールしてあっても、Visual Basic 5のランタイムを必須にしているソフトは動作しない。
作者によっては、ランタイム同梱版とランタイムなし版の両方を配布しているので、同梱版をインストールするほうが無難だ。もしランタイム同梱版がない場合は、どんなランタイムファイルが必要かをソフトの添付説明書や作者のホームページで調べ、ダウンロードできるサイトを「Google」などの検索サービスを利用して探すといいだろう。
(窓の杜編集部/イラスト:石岡 友里)