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年内最後の更新となる「Windows 10 19H1」Build 18305が“Fast”リングに

[設定]アプリのデザイン刷新など、新要素が盛りだくさん

「Windows 10 Insider Preview」Build 18305

 米Microsoftは12月19日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」Build 18305(19H1)を“Windows Insider Program”の“Fast”リングに参加するユーザーに対して公開した。累積的更新プログラムが配信される可能性はあるものの、基本的には年内最後のアップデートとなる。

 Build 18305では信頼できないアプリを簡単にテストできる隔離環境「Windows Sandbox」や、新しい「Office」アプリ絵文字パネルにおける顔文字のサポートが追加された。また、いったんオフラインとなっていた新しいIMEが復活。そのほかにもさまざまな改善が盛り込まれている。

シンプルになった[スタート]画面

[スタート]画面

 まず、ユーザーからのフィードバックを取り入れて[スタート]画面が改善。“フォルダー”機能などを活用してトップレベルタイルを整理し、タイルグループが1列にまとめられた。

 ただし、これはOSをクリーンインストールした場合のみで、アップデートした場合は既存の[スタート]画面のレイアウトが継承される。

セキュリティアプリケーションの改善

 「Windows セキュリティ」アプリでは、“保護の履歴”画面が刷新。これまでのスキャンや脅威の検出結果の詳細を、わかりやすく一覧表示できるようになった。ランサムウェア対策としてサードパーティーアプリのアクセスからの保護対象としているフォルダーに関しても、ブロック履歴がここに表示される。

「Windows セキュリティ」アプリの“保護の履歴”画面

 また、他のユーザーによって「Windows セキュリティ」の重要な設定が変更されるのを防止する機能も追加された。この機能は[ウイルスと脅威の防止]-[ウイルスと脅威の防止の設定]セクションで有効化することができる。

クリップボードの履歴

クリップボードの履歴ウィンドウのデザインがテキスト中心に調整

 「Windows 10 October 2018 Update」で導入されたクリップボードの履歴機能は、画像のプレビューを快適に閲覧できるよう、各エントリに十分な高さが設けられていた。しかし、クリップボードがもっとも多用されるのはテキストのやり取りだろう。それを考えると、従来のデザインは一覧性に欠ける。

 そこで本ビルドでは、クリップボードの履歴ウィンドウのデザインがテキスト中心に調整された。「October 2018 Update」のものと比べると、エントリの削除やピン留めを行うためのメニューも改善されていることがわかる。

パスワードレスサインイン(Windows 10 Home)

 また、本ビルドでは“電話番号”アカウントでWindowsをセットアップ・サインインする機能が導入された。セットアップの際はSMSで送信されるPINコードを利用する仕組みで、通常のサインインでは“Windows Hello”が使える。そのため、完全にパスワード不要でWindows 10が利用できるようになる。

 また、Windows 10へサインインするためのPINコードを忘れた場合のための、再発行手続きが改善。Webでサインインするのと同じ要領で“Windows Hello”のPINコードをリセットできるようになった。

 これらの機能はまず「Windows 10 Home」に導入される。いずれは他のエディションでも利用可能になる予定だ。

トラブルシューティングの提案

「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[トラブルシューティング]セクション

 Build 18262では「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[トラブルシューティング]セクションが刷新されたが、この段階では[推奨トラブルシューティング]のオプションがグレーアウトされ、利用できなかった。本ビルドではこの機能が解放され、実際に体験できるようになっている(プレビュー版では無効化できない)。

端末に不具合が発生したときにトースト通知でトラブルシューティングの方法を提案

 この機能を有効化しておけば、端末に不具合が発生したときにトースト通知でトラブルシューティングの方法を提案してくれる。

[設定]アプリのデザイン刷新と「エクスプローラー」の日付

[設定]アプリのデザイン刷新

 [設定]アプリのホーム画面のデザインが刷新。画面上部にヘッダーが表示されるようになった。このデザインは“Microsoft アカウント”の管理画面を参考にしているとのことで、使い勝手の共通化を狙っているようだ。アカウントの右側には“OneDrive”や“Windows Update”のアイコンが並び、システムのステータスが一目で把握できるようになっている。

 また、“フレンドリー”な日付フォーマットが導入された。これは従来の日付表示に“たった今”“38分前”といった相対表示を組み合わせたものだ。Build 18298では“ダウンロード”フォルダーが初期状態で“更新日時順”にソートされるようになったが、これと組み合わせることで相乗効果を発揮する。

 さらに「タスク マネージャー」では初期状態に表示するタブを指定できるようになった。頻繁にアクセスするタブをデフォルトに設定しておけば、起動後にわざわざタブの切り替え操作をせずに済む。

「タスク マネージャー」では初期状態に表示するタブを指定できるように

 なお、これらの機能は段階的にリリースされるとのこと。まだ配信されていない場合は、利用できるまでしばらく待つ必要がある。

そのほか

 そのほかにも“Fluent Design System”のシャドー効果を導入する作業が再開。“Windows Update”の適用で再起動が必要な場合に、自動的にサインインして適用処理を済ませ、ロック画面まで進む仕組み(ARSO)がエンタープライズ向けに導入された。また、米国など一部地域で「Microsoft ToDo」と“Cortana”を同期させる機能がテストされる。