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「Enpass 6」が正式版に ~無償でいくつでも保管できるオフライン型パスワード管理サービス

UIとエンジンの刷新、ダークテーマ、“Windows Hello”によるアンロックなどが目玉

「Enpass 6」Traditional Win32版

 パスワード管理サービス“Enpass”は12月28日(現地時間)、新しいクライアントアプリ「Enpass 6」を正式公開した。現在、いくつかの不具合を修正したv6.0.2が“Enpass”の公式サイトから無償でダウンロードできる。

 “Enpass”は、インド生まれのパスワード管理サービス。パスワードやクレジットカード情報、住所といったあらゆるプライベートデータを一元保管し、マスターパスワードで保護することが可能。保管したデータの引き出しも、マスターパスワード1つで行える。OSの認証機能(“Windows Hello”や“Touch ID”など)を利用することも可能だ。

 保管データはクラウドに預けず、ローカルで管理する“オフライン”タイプ。利用の際にサインアップや会員登録は不要で、PC版ならばいくつアイテムを保存してもお金がかからないのはうれしいポイントだ(モバイル版は20個まで)。保管データは“OneDrive”や“Dropbox”といったクラウドストレージを介して保管データを同期させる仕組みだ。上位エディションは有償となるが、1度支払えばずっと利用できる“買い切り”タイプとなっているので、定期的な支払の発生する“サブスクリプション”を避けたい場合は有力な選択肢となるだろう。

デスクトップ向け「Enpass 6」の料金プラン。フリー版でも保存アイテム数に制限はない

 対応OSも充実しており、デスクトップ(Windows/Mac/Linux)とモバイル(iOS/Android)の両方をカバーしている。Webブラウザー向けの拡張機能は「Microsoft Edge」、「Google Chrome」、「Firefox」向けに加え、「Opera」と「Vivaldi」向けが用意されている。オンラインサービスのパスワードを記憶したり、入力補完してログインしたりといった処理も簡単だ。

 「Enpass 6」ではユーザーインターフェイスが刷新され、複数の保管庫(Vault)を管理できるようになった。“Gmail”などでお馴染みの“アーカイブ”(不要だが削除してしまうのは不安なアイテムを退避する機能)の概念が導入されたほか、パスワードの入力補完を行うユーティリティ「Enpass Helper」が「Enpass Assistant」に置き換えられ、メモリ使用量削減のためにメインアプリと同じプロセスで動作するようになったのも大きな改善点だ。また、Windows、Mac、Linux、Androidでは、最近流行りのダークテーマがサポートされている。

最近流行りのダークテーマをサポート

 さらに、Windows デスクトップ(Traditional Win32)版で“Windows Hello”によるロック解除がサポートされた(有償版のみ)。UWP版ではすでに対応していた機能で、デスクトップ版でのサポートも期待されていた。

“Windows Hello”によるロック解除

 そのほかにも、内部的な機能刷新も行われた。新しい「Enpass」のエンジンはC++言語で開発され、すべてのプラットフォーム共通で利用されているという。セキュリティの強化も図られており、第三者機関による審査をパスしているとしている。

ソフトウェア情報

「Enpass」Traditional Win32版、Windows 10(UWP)版ともに
【著作権者】
Sinew Software Systems
【対応OS】
Windows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
6.0.2(18/01/04)