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「Notepad++」v7.6.4が公開 ~EUのバグ報奨金プログラムで発見された脆弱性を修正
Web検索コマンドで“Stack Overflow”が利用可能に。コードサイニング証明書は削除
2019年3月7日 16:24
無料のテキストエディター「Notepad++」の最新版v7.6.4が、3月6日に公開された。今回のアップデートでは、セキュリティ監査によって発見された脆弱性がいくつか修正されている。
欧州委員会(European Commission)は、欧州連合(EU)の各機関で利用されているフリーソフトウェア(FOSS)プロジェクトを対象にバグ報奨金プログラムを設け、セキュリティの向上に努めているが、今回のアップデートはその成果だ。開発チームによると、「Notepad++」では8件の脆弱性が修正された。ちなみにこのプロジェクトでは「Notepad++」以外にも、「Filezilla」や「PuTTY」、「VLC Media Player」、「7-zip」などが対象となっている。
機能面では、複数のユーザー定義言語(UDL)ファイルをサポートするために内部的な変更が行われたほか、連続した重複行を削除する機能、[Shift]キーを押しながらマウスホイールを操作することで水平スクロールを行う機能が追加された。また、選択テキストを[インターネットで検索する]コマンドで、検索エンジンとして“Stack Overflow”が追加で採用された。「Notepad++」はコーディング用途に利用されることが多いので、プログラマーがよく利用するQ&Aサイト“Stack Overflow”がサポートされたのは何かと便利だろう。
そのほかにも、ZIP版でMarkdownの強調表示が利用できなかった問題が解決されたほか、いくつかの不具合が修正されている。
なお、本バージョンではソフトにデジタル署名を行う“コードサイニング証明書”が削除されている。「Notepad++」プロジェクトではDigiCert社によって寄贈された証明書が3年前から利用されていたが、今年初めに期限切れを迎えた。そこでプロジェクトは新たな証明書を手ごろな価格で購入しようとしたが、会社・組織という体裁をなしていないため「Notepad++」名義(CN)で証明書を取得できなかったという。証明書が寄贈される以前の10年間は不都合がなかったことから、プロジェクトは再びコード署名を行わないことにしたという。
「Notepad++」は、オープンソースで開発されているプログラマー向けのテキストエディター。実行速度を重視したコンパクトなサイズながら、幅広いプログラミング言語をサポートしたコード補完機能とシンタックスハイライト機能を備えているほか、「メモ帳」の代わりに起動するよう設定することもできる。寄付歓迎のフリーソフトで、現在本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。
ソフトウェア情報
- 「Notepad++」
- 【著作権者】
- Notepad++ team
- 【対応OS】
- Windows(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 7.6.4(19/03/06)