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Adobe、「AIR」のサポートと機能開発をサムスンの子会社に移管
「AIR 33」からHARMANが管理。「AIR 32」のセキュリティパッチは2020年末までAdobeが提供
2019年5月31日 14:45
米Adobe Systemsは5月30日(現地時間)、「Adobe AIR」プラットフォームを米HARMAN社に移管すると発表した。2019年6月の「Adobe AIR 33」のリリース以降、AIRランタイムとSDKのサポートおよび機能開発はHARMANが引き継ぐ。
「Adobe AIR」は、「Adobe Flex」(Apache財団に移管済み)や「Adobe Flash」、「WebKit」を組み合わせたリッチインターネットアプリケーション環境。Webと親和性の高い技術でデスクトップアプリケーションを開発できる。2010年からモバイル端末(iOS/Android)で動作するネイティブアプリの開発環境としても一定のシェアを占める。
同社によると、6月の段階で「Adobe AIR」はHARMANへ引き継がれる。HARMANは韓国のSamsung Electronics(サムスン電子)の子会社。モバイル・組み込みプラットフォームにおける「Flash」ランタイムのインテグレートとサポートで2006年よりAdobeのパートナーとして実績を積んでおり、引継ぎ先としては最適だとしている。
なお、Adobeは現行版「AIR 32」のセキュリティサポートを2020年末まで提供するとのこと(ただし、デスクトップのみ)。次期バージョン「AIR 33」はHARMANからリリースされ、64bit版Androidデバイスへの対応などが行われる予定。以後のサポートはHARMANによって管理されるほか、商用ベースでの利用もHARMANが窓口となるようだ。ライセンスについてはまだ詳細が明らかではないが、趣味や小規模での開発は今後も無償で行える模様。