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Chromiumベースの「Microsoft Edge」をアプリに組み込める「WebView2 SDK」が初の更新

ネイティブ&Webのハイブリッドアプリ開発を加速

Microsoft、「WebView2 SDK」のアップデートを発表

 米Microsoftは6月18日(現地時間)、「WebView2 SDK」のアップデートを発表した。先月開催された開発者向けカンファレンス“Build 2019”で発表されて以来の更新となる。

 「WebView2」は、レンダリングエンジンとして「Chromium」ベースの次期「Microsoft Edge」を利用したWebブラウザーコントロール。開発中のネイティブアプリでWebコンテンツをホストするのに利用できる。現在は開発者向けのプレビュー中で、Windows 10上のWin32 C++開発でのみ利用可能。将来的にはC++、.NET、XAMLをサポートするすべてのバージョンのWindowsで利用できるようになる見込み。「Microsoft Office」アドオンのエンジンも、いずれ「WebView2」ベースになるという。

「Microsoft Office」アドオンのエンジンもいずれ「WebView2」ベースに

 今回のSDKアップデートでは、64bit環境で32bitの「WebView」を利用するオプションや開発ツールを無効化するオプション、ステータスバーを非表示にするオプションが追加された。同社は今後も約6週間おきに「NuGet」パッケージをアップデートする計画だ。

 「WebView2」の魅力は、「EdgeHTML」ベースの「WebView」と異なり、Webでデファクトスタンダードとなっている「Chromium」を採用している点にある。最新のWeb標準技術が利用可能で、「Google Chrome」をはじめとするモダンブラウザーとの互換性も高い。

 加えて、レンダリングエンジンのアップデートがOSのそれと切り離されており、より短いサイクルで自動アップデートされるのもメリット。最新機能を利用するためユーザーにOSのアップグレードを促したり、セキュリティアップデートのたびにアプリをコンパイルしてリリースする必要はない。

レンダリングエンジンを特定のバージョンに固定するオプションも導入へ

 その一方で、機能の追加や削除があっては困る環境での利用を考慮し、アプリに「WebView2」をバンドルして、レンダリングエンジンを特定のバージョンに固定するオプションも導入される。この場合は、アプリ開発者が責任をもって「WebView2」のアップデートを行う必要がある。