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Bitdefender、ランサムウェア「GandCrab」の最新版にも対応したデータ復旧ツールを無償提供
「GandCrab」開発者は“20億ドル以上の身代金を得た”と主張しシャットダウンを宣言
2019年6月21日 07:30
ルーマニアのBitdefenderは6月17日(現地時間)、ランサムウェア「GandCrab」の被害からデータを復旧するツール「Bitdefender Decryption Utility for GandCrab V1,V4,V5 Decryptor」をアップデートした。同社のラボサイトや“No More Ransom Project”のWebサイトから無償でダウンロードできる。
「GandCrab」は、昨年より被害を拡大させている身代金請求型のマルウェア。ユーザーのファイルを勝手に暗号化し、復号する見返りとして“Bitcoin”や“DASH”といった暗号通貨を請求する。マルウェアの開発元だけでなく、他の攻撃者に対して貸し出される“サービスとしてのランサムウェア”であるのも特徴で、定期的に亜種が登場し、カスペルスキーによるとランサムウェア市場全体のおよそ40%はこの「GandCrab」が占めるという。
Bitdefenderは以前から「GandCrab」の被害に遭ったデータを復旧するツールを無償で提供しており、Europol(欧州刑事警察機構)などと連携しながら、「GandCrab」のアップデートにも追従してきた。同社によると、このツールはこれまでに計3万回以上のファイル復号に成功し、被害者の身代金をおよそ50万ドルも節約してきたという。
今回リリースされた最新版は、今年初めに登場した「GandCrab 5.2」にも対応。「GandCrab」の開発者は“すでに20億ドル以上の身代金を得た”と主張し、今月初めに「GandCrab」のシャットダウンを宣言したが、それもBitdefender社をはじめとするベンダーの努力の結果といえるだろう。