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「Excel」に6つの関数と新しい配列数式が導入~「Office 365」の2019年11月更新

“CSE”配列数式は不要に、隣接した複数のセルに結果を出力する“スピル”に慣れよう

 米Microsoftは12月3日(現地時間)、「Office 365 ProPlus」の月次チャンネルをアップデートした(バージョン 1911、ビルド 12228.20332)。“Office 365”の購読者であれば、最新版が自動でダウンロード・適用される。

 今回のアップデートでは、「Excel」を中心にいくつかの改善が導入された。まず、配列数式で新しい方法がサポートされ、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]キーを押す(“CSE”配列数式を利用する)必要がなくなった。加えて、以下の数式がサポートされている。

  • FILTER:定義した条件に基づいてデータの範囲をフィルター処理
  • SORT:範囲または配列の内容を並べ替え
  • SORTBY:範囲または配列の内容を、対応する範囲または配列の値に基づいて並べ替え
  • UNIQUE:一覧または範囲内の一意の値の一覧を返す
  • SEQUENCE:1、2、3、4など、配列内の連続した数値の一覧を生成
  • RANDARRAY:ランダムな数値の配列を返す

 たとえば、適当な数値を入力した1列のテーブル(今回は“RAND”関数を用いた)を作成し、そのテーブル外のセルを1つ選ぶ。次にそのセルで“SORT”関数を用いてテーブルの数値を並べ替えてみよう。すると、当該セルとその下に並び替えられた数値が自動で入力される。

“D2”セルで“SORT”関数を用いる
“D2”の下のセルにも結果が表示(スピル)される。スピルされた範囲には枠線による強調が、スピルされたセルにはグレーアウトされた数式が表示される

 “SORT”をはじめとするこれらの関数は、隣接した複数のセルにまたがって結果を出力する。たとえば“RANDARRAY(3,5)”とすれば、この数式を入力したセル以外にも、ランダムな数値が入った3列×5行の配列を返す。

“RANDARRAY(3,5)”とすれば、この数式を入力したセル以外にも、ランダムな数値が入った3列×5行の配列を返す

 こうした当該セルの外にまで結果があふれる挙動は、“スピル(Spill:こぼれる)”と呼ばれている。スピルする範囲は「Excel」が自動で調節してくれるため、ユーザーが気を配る必要はない。スピルしたセルを選択すると、その範囲が枠線で強調表示される。それぞれのセルには、数式を入力したセルと同じ数式がグレーアウトして入力される。

 なお、従来の“CSE”配列数式は後方互換性のために引き続きサポートされるが、今後は利用できなくなる見込みだ。

 そのほかにも、「Office」の更新プログラムが意図したソース(ローカル共有、ネットワーク共有、構成マネージャー で提供される場所など)からではなく、誤って「Office」のCDNからダウンロードされることがある問題などが解決されている。