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Microsoft、「Excel」に14の新関数を追加へ ~テキスト・配列操作が簡単に

「Office Insider Program」でテストされたのち、製品版へ展開

 米Microsoftは3月16日(現地時間)、「Microsoft Excel」に14の新関数を追加したと発表した。「Office Insider Program」でテストされたのち、製品版にも導入される見込み。

テキスト操作関数

TEXTSPLIT関数で姓名を分割

 たとえば「姓(空白)名」というデータを「姓」と「名」の2つに分割する場合、従来の「Excel」では区切り位置指定ウィザードを利用したり、FIND関数とLEFT/RIGHT関数を組み合わせるなどしてテキストを操作する必要があった。

 今回のアップデートでは、特定の区切り文字でテキストを分割する専門の関数が3種類追加されているので、こうした処理をよりシンプルに実現できる。

  • TEXTBEFORE:区切り文字でテキストを分割し、その前を返す
  • TEXTAFTER:TEXTBEFOREの逆
  • TEXTSPLIT:区切り位置指定ウィザードのように、区切り文字でテキストを分割する。TEXTJOIN関数の逆

配列の操作

 2019年に「Excel」で動的配列がリリースされて以来、配列数式の利用頻度は飛躍的に高まっている。そこで、配列の操作処理を強化するために11の新関数が導入された。

配列の結合

複数の配列を縦に積み重ねるVSTACK関数
  • VSTACK:配列を縦に積み重ねる
  • HSTACK:配列を水平方向に積み重ねる

配列の変換

  • TOROW:配列を1行にする
  • TOCOL:配列を1列にする
  • WRAPROWS:指定した要素数で1行を折り返して配列にする
  • WRAPCOLS:指定した要素数で1列を折り返して配列にする
TOCOL関数で配列を1列に

配列のサイズ変更

  • TAKE:配列から連続する指定行・列を抜き取って新しい配列を得る
  • DROP:配列から連続する指定行・列を削除して新しい配列を得る
  • CHOOSEROWS:指定された行だけを含む配列を返す
  • CHOOSECOLS:指定された列だけを含む配列を返す
  • EXPAND:配列を指定された行数・列数だけ拡大する。指定したデータで空セル埋めることも可能
指定した次元に配列を展開するEXPAND関数

 これらの新関数は、ベータチャネルのWindows版「バージョン 2203」(Build 15104.20004)およびそれ以降、またはMac版「バージョン 16.60」(Build 22030400)およびそれ以降で利用できる。

新関数をテストするには、「Office Insider Program」への参加が必要