ニュース
「Ruby 2.7」に対応した「RubyInstaller」が登場 ~「Ruby」を手軽にWindows環境へ導入
「reline」の採用で「irb」が大幅改善。“UTF-8”のデフォルト化も実施
2020年1月10日 06:45
スクリプト言語「Ruby」のWindows向けインストーラー「RubyInstaller」v2.7.0-1が、1月5日に公開された。現在、公式サイト“rubyinstaller.org”から無償でダウンロードできる。
例年通り12月25日に公開された「Ruby 2.7」シリーズをWindows環境で利用するには、今回リリースされた「RubyInstaller」v2.7.0-1がもっとも手軽だろう。gemの一部に互換性がないため、依然2.6の利用が推奨されているが、新機能をいち早く試してみたい人はこのバージョンを利用してみてもよいだろう。
「Ruby 2.7」ではさまざまな言語機能が追加されているが、Windows環境ではREPLツール「irb」で「GNU Readline」互換のピュアRuby実装「reline」が採用された点に注目したい。Windows環境では「Readline」が正しく動作しないため従来は「rb-readline」というライブラリが採用されていたが、このライブラリは最近ではほとんどメンテナンスされておらず、不具合が多く放置されていた。「Ruby」で動作する「reline」が採用されたことで、機能性・利便性の向上が期待できる。
また、「RubyInstaller」最新版では外部文字エンコーディングのデフォルトがOSの言語設定値(日本語の場合“Shift-JIS”)から“UTF-8”に変更された。これにより、「reline」に関するいくつかの問題が解決されたほか、他のOSやツールとの互換性が向上する。ただし、この設定はシステムにインストールされたすべてのバージョンの「Ruby」に影響するので注意。元の国・地域依存のコードページへ戻すには、システム環境変数から“RUBYOPT”を削除すればよい。
「reline」と“UTF-8”のデフォルト化は、大きな問題がなければ古いバージョンの「RubyInstaller」にもバックポートされる予定だ。もし問題や提案があるならば、イシュートラッカーからフィードバックを送信してほしい。
なお、すでにv2.5/2.6の「RubyInstaller」を利用している場合、同じフォルダーにv2.7をインストールしてはいけないので注意。「RubyInstaller」が提案する初期インストールパス(“C:Ruby27-x64”など)をそのまま使うことが推奨されている。
ソフトウェア情報
- 「RubyInstaller」
- 【著作権者】
- RubyInstaller Team
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 2.7.0-1(19/01/05)