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ARM64 Windowsに対応 ~フリーのコードエディター「Visual Studio Code」2020年5月更新
ワークベンチのレイアウトを柔軟にカスタマイズできるようになるなど多数の改善
2020年6月11日 15:07
米Microsoftは6月10日(現地時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2020年5月アップデート(v1.46)を正式リリースした。本バージョンでは、ARM64版Windows向けの「Visual Studio Insider」 ビルドが提供されるようになったほか、ユーザーインターフェイスに多くの改善が導入されている。
まず、アクセシビリティを改善するためキーボードナビゲーションが強化された。最新版の「Visual Studio Code」では[F6]キーでステータスバーにフォーカスを移して、矢印キーでステータスバーの項目を選択できるようになったほか、以下のコマンドが新設され、マウスがなくても簡単にテキストを選択できるようになっている。
- Set Selection Anchor(選択アンカーの開始):[Ctrl]+[K]キー→[Ctrl]+[B]キー(2回に分けて押す)
- Select From Anchor to Cursor(アンカーからカーソル位置までを選択):[Ctrl]+[K]キー→[Ctrl]+[K]キー
- Cancel Selection Anchor(選択アンカーを解除):[Escape]キー
- Go to Selection Anchor(選択アンカーへ移動)
また、ワークベンチのレイアウトを柔軟にカスタマイズできるようになったのも大きな改善点。「Visual Studio Code」のワークベンチはエディターを中心に、アイコンのクリックで切り替え可能なサイドバー、エディター下部のパネルなどから構成されているが、サイドバーとパネルの間でビューを自由に移動させられるようになった。
たとえば、サイドバーの[エクスプローラー]セクションには“アウトライン”や“タイムライン”といったビューが含まれているが、それをドラッグ&ドロップしてパネルに配置できる。“アウトライン”ビューをサイドバーにドラッグ&ドロップすれば、[エクスプローラー]セクションから独立させることも可能。独立させた[アウトライン]セクションに“タイムライン”ビューを移動させて、新しいグループを作成することもできる。
そのほかにも、エディター画面のタブを“ピン留め”する機能が追加された。ピン留めされたドキュメントはタブがアイコンのみの表示となり、エディター画面左端に常時表示されるようになる。Webブラウザーなどでもお馴染みの機能で、頻繁にアクセスするドキュメントに利用すると便利だ。
開発機能に関連する変更点としては、“GitHub”との連携が強化された点に注目したい。“GitHub”のリモートリポジトリをローカルに追加できるようになったほか、ワークスペースを“GitHub”へ公開する際に無視するファイルを定義した“.gitignore”を生成できるようになった。「GitHub Issue Notebooks」拡張機能の改善も継続されている。
また、自動デバッグ構成の改善、「TypeScript 3.9」(v3.9.4)の同梱、“require”を利用したCommonJSモジュールの自動インポートなどもサポートされた。
「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。すでに利用している場合は、自動更新機能を用いてアップデートすることも可能。
また、試験機能を一足先にテストできる「Visual Studio Code Insider」も利用可能。プレビュー版では現在、設定の同期を行っている端末をグラフィカルに表示する専用ビュー“Synced Machines”などが体験できる。
ソフトウェア情報
- 「Visual Studio Code」Windows向け安定版
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.46(20/06/10)