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Webデバッガープロキシー「Fiddler Everywhere」がベータ版を卒業、v1.0に

オートレスポンダー、レスポンスグループ化などの機能強化。チーム共有も柔軟に対応

「Fiddler Everywhere」v1.0

 米Progress Softwareは7月28日(現地時間)、「Fiddler Everywhere 1.0」を公開した。5月から続けられていたベータテストを卒業し、正式版として提供される。

 「Fiddler」は、Microsoftで「Internet Explorer」の開発に深く関わっていたEric Lawrence氏が制作したWindows向けのネットワークキャプチャーツール。ネットワークとアプリケーションの間でプロキシーサーバーとして動作し、HTTP通信をキャプチャーするWebデバッガープロキシーだ。機能の豊富さで根付いよい人気を誇るが、歴史の長さゆえの複雑なUIは入門者にとって扱いやすいとは言えなかった。

 「Fiddler Everywhere」は、そうした「Fiddler」の弱点を克服すべく一から再設計されたツールで、Windowsだけでなく、MacやLinuxにも対応している。基本機能は無償だ。なお、従来の「Fiddler」も「Fiddler Classic」としてメンテナンスが継続される。同じ環境で共存させることも可能だ。

クエリを編集してリクエストし、レスポンスを分析。Web APIのテストなどにも使える

 「Fiddler Everywhere 1.0」では、v0.10で追加されたオートレスポンダー(自動応答)機能を強化。ルールセットをエクスポートしてチームと共有する機能などが追加された。加えて、セッションを保存してコメントを追加し、チームメイトと共有する機能も備わっており、コラボレーションを意識した改善が行われている。

 そのほかにも、トラフィックのキャプチャーをトグルスイッチで簡単にON/OFFできるようになった。トラフィックインスペクターもアップデートされ、ヘッダー・テキスト・Raw・JSON・XMLなど、さまざまな形式でリクエストとレスポンスのデータを閲覧できる。

 また、レスポンスをグループ化し、複数のリクエストを実行できるコレクション機能も便利。もちろん、このコレクションもチームで共有できるようになっている。

 「Fiddler Everywhere」は「.NET Core」ベースで開発されており、Windows/Macおよびx64環境のLinuxで利用可能。無料版は自動応答ルール、セッションの保存・共有が5件までといった制限が課せられている。これらの制限がない“Pro”エディションは1ユーザーあたり月額12米ドル。将来的にはチームやエンタープライズ向けのライセンスも用意されるという。

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