ニュース

「Android 11」が正式公開 ~メッセージング・スマートデバイス管理・プライバシーに焦点

スクリーンショット機能の強化や録画機能の標準搭載も魅力

「Android 11」が正式公開

 米Googleは9月8日(現地時間)、モバイル向けOS「Android」の新しいメジャーバージョン「Android 11」を正式リリースした。「Android 11」は“人”(People)を中心としたコミュニケーション、よりシンプルで手軽なスマートデバイスの“コントロール”(Control)、デバイスのデータをどのように共有するかをユーザーの手で管理できる“プライバシー”(Privacy)の3点に重点を置いて開発されているという。

People

 「Android 11」では、メッセージのやり取りに関する通知が独立したセクションに表示される。会話の相手はホーム画面上に丸いアイコンとして表示され、タップすると吹き出し(バブル)のようにやりとりが表示される。この機能は「Facebook Messenger」でお馴染みで、他の作業を妨げずに友人と会話できるのが魅力。システムワイドでサポートされたことにより対応アプリでUIの統一が可能なほか、リソース消費の面でも優位となる。

“人”を中心としたコミュニケーション

Control

 「Android 11」で電源ボタンを長押しすると、電源を切るメニュー以外にもスマートデバイスをコントロールするUIが現れる。照明をON/OFFしたり、センサーで室温をチェックしたり、ドアの施錠・開錠を行ったりといった操作が、ここでまとめて行える。

 また、音楽の再生を制御するメディアコントロールもアップデート。ヘッドフォンやスピーカー、テレビなど、オーディオやビデオコンテンツの出力デバイスをすばやく切り替えられるようになった。

電源ボタンを長押しすると、電源を切るメニュー以外にもスマートデバイスをコントロールするUIが現れる。メディアコントロールもアップデートされた

Privacy

 プライバシー面での目玉は、アプリへ一時的に権限を与えるワンタイムパーミッションがサポートされたことだ。“常に許可する”、“アプリを使っているときだけ許可する”以外にも“1回だけ許諾する”が選べるようになり、アプリに余計な権限を与えないようにしながら運用できる。ユーザーが長期間アプリを使用していない場合にアプリの権限をリセットする機能も追加されており、知らない間にアプリがシステムで好き勝手していたなどという事態を未然に防げるようになった。

 そのほかにも、スクリーンショット機能の強化や録画機能“スクリーン レコード”の標準搭載も魅力。とくに録画機能がシステム標準でサポートされたのは便利で、サードパーティーアプリを利用しなくてもゲームプレイを録画して共有したり、アプリの操作を解説する動画を作成するのが簡単になった。開発者向けには5Gサポートの強化や折り畳み可能なスマートフォンなど、新しいフォームファクターへの対応などがトピックとなる。

録画機能“スクリーン レコード”

 「Android 11」は“Pixel 2”以降のデバイスでOTAアップデート(インターネット経由の更新)の提供がすでに開始されている。“Pixel”シリーズには追加の新機能が一足先に解放されているので、ぜひ試してみてほしい(参考記事)。また、“Pixel”以外では“OnePlus”、“Xiaomi”、“OPPO”、“Realme”で「Android 11」の配信が開始されているとのこと。その後も対応デバイスが拡充されていくはずだ。