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AVIF形式をサポートした「GIMP 2.10.22」がリリース ~他のファイル形式への対応も強化

「GIMP 3.0」へ向けての準備も着々と進行中

「GIMP」v2.10.22

 フリーの画像編集ソフト「GIMP」の最新安定版v2.10.22が、10月7日に公開された。今回のアップデートでは、ファイル形式のサポートを拡充。EXIFの“Orientaion”メタデータの扱いが改善されたほか、画像処理エンジン「GEGL」の操作ツールにサンプルマージオプションが追加されている。

 なかでも目玉は、AVIF形式のインポート・エクスポートがサポートされたことだろう。「AVIF(AV1 Image File Format)」は、「AV1」の圧縮技術を利用した画像ファイルフォーマット。「AV1」は非営利団体“Alliance for Open Media”によって開発されているオープンかつロイヤリティフリーな動画圧縮コーデックで、「VP9」よりも高い圧縮率を誇る。特許使用料を支払う必要のある「HEVC/H.265」に代わるファイルフォーマットとして期待を集めており、「Google Chrome」ではすでに標準サポートされている。「Firefox」でも実験的フラグ(about:configのimage.avif.enabled)を有効化することでテストが可能だ。

 さらに、AVIFとHEICの両方で高ビット深度(10bit/12bit)でのインポート・エクスポートがサポートされた。「PaintShop Pro」のファイル形式PSPを扱うモジュールも強化されたほか、TIFF形式ではマルチレイヤーエクスポートが可能となった。そのほかにもBMP、DDS、JPEG、WebP、XPMなどのファイル形式でさまざまな改善が施された。

 一方で、「GIMP 3.0」へ向けての準備も着々と進んでいるようだ。開発ブランチに位置付けられているv2.99シリーズ(最新版はv2.99.2)ではタブレットのホットプラグ対応や4Kモニターへの最適化に加え、「GTK2」「Python 2」依存の削除などに取り組んでいるとのこと。

 「GIMP」は、オープンソースの画像編集・処理ソフト。Windows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在同プロジェクトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7以降に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「GIMP for Windows」
【著作権者】
Spencer Kimball, Peter Mattis and the GIMP Development Team
【対応OS】
Windows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
2.10.22(20/10/07)