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「GIMP」の最新版がリリース ~GeoTIFFメタデータに対応
オフキャンバスでのポイントスナップもサポート。「GEGL」には写真ネガの暗室機能
2021年4月1日 13:44
フリーの画像編集ソフト「GIMP」の最新安定版v2.10.24が、3月29日に公開された。本バージョンは、不具合への対処が中心のマイナーアップデート。「GEGL 0.4.30」「babl 0.1.86」への更新や、メタデータのビューワーとエディターの改善が行われたほか、HEIF/PSP/TIFF/JPEG/PNG/PDF/DDS/BMP/PSDといった各種ファイル形式への対応が強化された。
コアコードにもさまざまな修正が施されているが、その成果がキャンバス外でのポイントスナップがサポートされたことだ。「GIMP 2.10.14」以降、「GIMP」ではキャンパスからはみ出た要素も表示できるようになっているが、本バージョンではこれが拡張され、キャンバスの外でもガイドやグリッドにさまざまなツールをスナップできるようになった。目立った変更とは言えないが、作業効率の改善が期待できる。
新機能としては、“GeoTIFF”メタデータのサポートが挙げられる(v2.99.4以降の開発版で利用できるが、安定版に含まれたのは今回が初めて)。これはTIFF形式の画像データに地理情報を埋め込んだもので、国土地理院の配布するデータにも含まれている。
ただし、セマンティックロジックは実装されていないとのことで、つまりTIFF画像のエクスポート時にGeoTIFFを保存できるのは、インポートされたときからGeoTIFFが含まれていた場合のみだ。「GIMP」でGeoTIFFを編集したりすることはできない。しかし、GeoTIFF付きのデータを「GIMP」で扱ううちにメタデータが失われるといった事態は避けることができる。
そのほかにも、[GEGL 操作]コマンドに[Negative Darkroom (negative-darkroom)]が追加された。写真のネガをスキャンして拡大プリントする処理をシミュレートできるという。
「GIMP」は、オープンソースの画像編集・処理ソフト。Windows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在同プロジェクトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7以降に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。
ソフトウェア情報
- 「GIMP for Windows」
- 【著作権者】
- Spencer Kimball、Peter Mattis and the GIMP Development Team
- 【対応OS】
- Windows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 2.10.24(21/03/29)