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Microsoft、2021年5月のセキュリティ更新を発表 ~Windowsにリモートコード実行の致命的な脆弱性が3件
法人エディションを除く「Windows 10 バージョン 1909」などがサポート終了
2021年5月12日 08:00
米Microsoftは5月11日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした(パッチチューズデー、Bリリース)。現在、「Windows Update」や「Microsoft Update Catalog」から入手可能。以下のMicrosoft製品に対しても、セキュリティアップデートが提供されている。
- .NET Core & Visual Studio
- HTTP.sys
- Internet Explorer
- Microsoft Accessibility Insights for Web
- Microsoft Bluetooth Driver
- Microsoft Dynamics Finance & Operations
- Microsoft Exchange Server
- Microsoft Graphics Component
- Microsoft Office
- Microsoft Office Access
- Microsoft Office Excel
- Microsoft Office SharePoint
- Microsoft Office Word
- Microsoft Windows Codecs Library
- Microsoft Windows IrDA
- Open Source Software
- Role: Hyper-V
- Skype for Business and Microsoft Lync
- Visual Studio
- Visual Studio Code
- Windows Container Isolation FS Filter Driver
- Windows Container Manager Service
- Windows Cryptographic Services
- Windows CSC Service
- Windows Desktop Bridge
- Windows OLE
- Windows Projected File System FS Filter
- Windows RDP Client
- Windows SMB
- Windows SSDP Service
- Windows WalletService
- Windows Wireless Networking
Windowsでは「Hyper-V」におけるリモートコード実行(CVE-2021-28476)、OLEオートメーションにおけるリモートコード実行(CVE-2021-31194)、HTTPプロトコルスタックにおけるリモートコード実行(CVE-2021-31166)がそれぞれ深刻度「緊急」と評価されており、警戒が必要だ。
Windows 10およびWindows Server 2016/2019
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。「Windows 10 バージョン 1909」(法人向けエディションを除く)などがサービス終了となっているので、利用中の場合はできるだけ早いアップグレードをお勧めする。
- Windows 10 バージョン 20H2:KB5003173
- Windows 10 バージョン 2004:KB5003173
- Windows 10 バージョン 1909:KB5003169
- Windows Server 2019:KB5003171
- Windows Server 2016:KB5003197
なお、「バージョン 2004/20H2」はOSのコアが共通で、「イネーブルメント パッケージ」で機能のみを切り替える仕組みになっている。そのため、更新プログラムの内容は同一だ。
Windows 8.1およびWindows Server 2012/2012 R2
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。「セキュリティのみ」と「マンスリー ロールアップ」の2種類が用意されているが、可能な限り「マンスリー ロールアップ」の適用が推奨されているので注意したい。
- Windows 8.1/Windows Server 2012 R2 マンスリー ロールアップ:KB5003209
- Windows 8.1/Windows Server 2012 R2 セキュリティのみ:KB5003220
- Windows Server 2012 マンスリー ロールアップ:KB5003208
- Windows Server 2012 セキュリティのみ:KB5003203
なお、企業向けの有償延長サポート「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」に加入している顧客にはWindows 7とWindows Server 2008/2008 R2向けにもパッチが提供される。
Microsoft Office関連のソフトウェア
最大深刻度は「重要」(リモートでコードが実行される)。詳細は以下のドキュメントを参照のこと。
Internet Explorer/Microsoft Edge
「Internet Explorer 9」「Internet Explorer 11」では、1件の脆弱性が修正された。
- CVE-2021-26419(緊急:リモートでコードが実行される)
「Microsoft Edge」は、「パッチチューズデー」とは関係なくアップデートされている。直近のセキュリティ修正は、米国時間4月29日にリリースされたv90.0.818.51。
Microsoft SharePoint Server
「Microsoft SharePoint Server」関連では、7件の脆弱性が修正された。最大深刻度は「重要」。
- CVE-2021-26418(重要:なりすまし)
- CVE-2021-28474(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2021-28478(重要:なりすまし)
- CVE-2021-31171(重要:情報漏洩)
- CVE-2021-31172(重要:なりすまし)
- CVE-2021-31173(重要:情報漏洩)
- CVE-2021-31181(重要:リモートでコードが実行される)
Microsoft Exchange Server
「Microsoft Exchange Server」関連では、4件の脆弱性が修正された。最大深刻度は「重要」。
- CVE-2021-31195(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2021-31198(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2021-31209(重要:なりすまし)
- CVE-2021-31207(警告:セキュリティ機能のバイパス)
4月のアップデートで既知の問題が発見され、回避策が案内されているほか、新しいセキュリティ機能も追加されている。詳しくは公式ブログを参照のこと。
Skype for Business Server/Microsoft Lync Server
「Skype for Business Server」「Microsoft Lync Server」関連では、2件の脆弱性が修正された。
- CVE-2021-26421(重要:なりすまし)
- CVE-2021-26422(重要:リモートでコードが実行される)
そのほかの製品
そのほかにも、以下の製品に対しセキュリティアップデートが提供されている。
- Web Media Extensions:1件(重要:1件)
- Visual Studio Code Remote - Containers Extension:1件(重要:1件)
- Visual Studio Code:2件(重要:2件)
- Visual Studio 2019 for Mac version 8.9:1件(重要:1件)
- Dynamics 365 for Finance and Operations:1件(重要:1件)
- common_utils.py:1件(重要:1件)
- .NET Core 3.1:1件(重要:1件)
- .NET 5.0:1件(重要:1件)