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厳密なCDリッピングが行える「AccurateRip」に対応した「fre:ac」v1.1.5が公開

データベースのチェックサムと比較して100%正確なデータ化を確認可能

「fre:ac」v1.1.5

 オープンソース・クロスプラットフォーム対応の定番オーディオ形式変換ツール「fre:ac」の最新版v1.1.5が、6月27日に正式公開された。本バージョンでは、「AccurateRip」に対応し、厳密なCDのリッピングが行えるようになった。

 CDからオーディオデータをリッピングすると、CD上の傷や汚れ、ドライブの振動、電子的なノイズの混入などが原因でデータを正確に読み込めないエラーが発生する。CDドライブにはエラーを補完する仕組みが備わっているが、元のデータと比較できないため、100%正確にエラーを修正できるわけではない。小さなエラーはソフトウェア的に補完されるが、音質劣化の原因になりかねない。もちろん大きなエラーであれば再生が不可能になってしまう。

 定番メディアプレイヤー「MusicBee」にも搭載されている「AccurateRip」は、CDからリッピングした曲データのCRCチェックサムを、ネット上のデータベースにある他のユーザーがリッピングした曲のCRCチェックサムと比較してエラーをチェックできる。「AccurateRip」の公式サイトによると、データが100%正確かどうかを確認できるという。

 「fre:ac」では、「AccurateRip」でエラーが確認された場合に警告を表示可能。警告が表示された場合は、警告が表示されなくなるまでその曲のデータをリッピングし直すことで正確なデータを得られるだろう。

「AccurateRip」の設定画面
「AccurateRip」によるCRCチェックサムの比較ログ

 そのほかにもv1.1.5では、パフォーマンスの向上やタグ付け機能の改善、コーデックの更新が行われている。中でも主にWindows版でDSPの処理が70%向上していることと、FDK-AACエンコーダーの設定で[AAC 最大周波数帯域幅]を指定できるオプションが追加されたことは大きな改善点だろう。

[AAC 最大周波数帯域幅]をスライダーで指定可能

 「fre:ac」は、音声ファイルの形式を別の形式へ変換したり、CDから音楽ファイルをリッピングできるツール。Windows/Mac/Linux/FreeBSDなどに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 10で動作を確認した。現在、公式サイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。また、Windows 10ならばストアアプリ版を「Microsoft Store」からインストールできる。

ソフトウェア情報

「fre:ac」
【著作権者】
Robert Kausch 氏
【対応OS】
Windows/Mac/Linux/FreeBSDなど(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.1.5(21/06/27)