ニュース

新世代リモートデスクトップソフト「Verethragna」ベータ版、セキュリティが大幅に向上

パスワード認証や通信の暗号化が可能に

「Verethragna」v0.2.0

 (株)RATHは7月15日、リモートデスクトップソフト「Verethragna」の最新版v0.2.0を公開した。本バージョンの変更点は、セキュリティ周りの強化。本ソフトはLAN内での利用が想定されているが、パスワード認証や通信の暗号化といった機能を導入することでより安心して利用できるようになった。

 「Verethragna」は、「Brynhildr」の作者として知られるIchiGeki氏が開発を担当したリモートデスクトップソフト。以下の技術を用いており、4Kを超える4,800×2,700ピクセルまでの解像度、120FPS以上のフレームレートに対応しつつも、極力GPUには負担をかけず、CPUでの演算に特化しているのが特徴。AI演算のためにGPU負荷を減らしたいといった用途に役立つ。

  • 映像圧縮:VP8
  • 音声圧縮:CELT
  • 通信プロトコル:TCP/IP
  • 画面キャプチャー:Desktop Duplication API(Direct3D)

 対応OSはWindows 10で、現在公式サイトからベータ版を無償でダウンロード可能。バイナリは「verethragna.exe」のみの単体構成で、サーバーとクライアントを兼ねている。リモートPCではサーバーモードとして、手元のPCではクライアントモードとして起動し、クライアントにサーバーのIP(またはコンピューター名)を入力して接続するだけで、リモートデスクトップ接続が行える。

 v0.2.0では、クライアントから接続する際、あらかじめサーバーに設定したパスワードを指定しないと接続できないようにする認証機能を追加。ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)への対策として、パスワードを間違えると次に認証できるまでの時間がどんどん長くなる仕様になっている。これに伴い、クライアント側にログ表示機能も実装されている。

 さらに、暗号化通信機能も追加。有効化することで、通信データを鍵長256bitのBlowfishで暗号化できるようになった。暗号化通信が有効化されていることは、クライアントモードのウィンドウに「Encrypt」と表示されていることで判別が可能。パケットの整合性チェックも厳密化されており、チェックデジットのような仕組みで通信エラーを検出するようになっているという。

 なお、一連の変更により、前バージョンとの通信互換性はなくなっているので注意。また、本格的な解析によりセキュリティが破られる可能性もあるので、暗号化VPNによるトンネリングといった対策も併用することが推奨されている。

ソフトウェア情報

「Verethragna」
【著作権者】
(株)RATH
【対応OS】
Windows 10
【ソフト種別】
フリーソフト(個人利用の範囲内のみ)
【バージョン】
0.2.0(21/07/15)