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Windows 11+Edgeでインク描画はもっと快適に ~最大で240%の遅延を改善

Windows 10やLinuxでもインクストロークの予測レンダリングでパフォーマンスアップ

インクストロークの予測レンダリングでペン入力のレイテンシを短縮

 米Microsoftは8月18日(現地時間)、「Microsoft Edge」のDevチャネルで強化された新しいInk APIのプレビューを開始したと発表した。昨年の「Build 2021」で初めて紹介された機能強化で、「Chromium」オープンソースプロジェクトに実装されたことで一般提供に向けて一歩前進した格好だ。

 現在の「Chromium」の実装では、まずペンのイベントがブラウザープロセスに送られる。続いてブラウザープロセスがWebアプリのJavaScriptイベントループへイベントを転送し、Webアプリでペンの描画(インキング)が行われる。しかし、このような仕組みではペンの入力から実際のインキングまでの遅延(レイテンシ)が長くなってしまう。

 そこで、Windows 11ではInkPresenterの実装を変更。「Edge」はOSのコンポジターと直接連携し、イベントを受け取る前にインキングを行うようになった。JavaScriptを介してイベントが配信されるのを待たずともインクの描画が行えるため、レイテンシが劇的に低下する。同社によると、「Windows 11 Insider Preview」ビルドとDev版「Edge」の組み合わせでは、最大で240%の遅延が改善されたとのこと。

OSのコンポジターと直接連携し、イベントを受け取る前にインキング

 新しいAPIを持たないWindows 10やLinuxでは、もちろんこの手法は使えない。しかし、最後に受け取ったペンの座標をもとにインクストロークの予測レンダリングを行うことで、Windows 11ほどではないにしてもパフォーマンスアップを体感できるという。