ニュース

Microsoft、ARM64向け「Windows 11」仮想マシンを公開

Surface Pro XなどのARMデバイスでも気軽にプレビュー版の最新機能を体験できる

Microsoft、「Windows 11 on ARM Insider Preview」Build 22000.132の仮想マシンを公開

 米Microsoftは9月3日(現地時間)、「Windows 11 on ARM Insider Preview」Build 22000.132の仮想マシンを公開した。ARM64環境向けプレビュー版Windowsクライアントの仮想マシンがアップデートされるのは、今年4月の「Windows 10 Build 21354」(CO_RELEASE)以来。Windows 11が提供されるの初めてだ。

 Surface Pro XなどのARMデバイスでWindows 11を試す場合、これまでは「Windows Insider Program」に加入して、OSをアップグレードする必要があった。しかし、Windowsが動作するARMデバイスを複数持っているユーザーはごく少数だろう。替えのきかないデバイスに不安定なプレビュー版OSを入れてしまうのは躊躇われるが、仮想マシンであれば気軽に試すことができる。

 「Windows 11 on ARM Insider Preview」のシステム要件は、以下の通り。ダウンロードしたVHDXファイルを既存の仮想ハードディスクとしてHyper-V仮想マシンを作成すればよい。なお、ダウンロードの際は「Windows Insider Program」へ登録済みの「Microsoft アカウント」が必要だ。

  • ARMベースのWindows 11搭載PC(Microsoft SQ1/SQ2、Qualcomm Snapdragon 8cx/850プロセッサー)
  • Hyper-V

 安定動作が見込めるWindows 10で利用できないのは残念だが、すでに商用プレビューの段階にある「Windows Insider Program」のRelease Previewチャネルであれば比較的安定した動作を期待できるだろう。万全を期す場合は、Windows 11が一般リリースされてから試してみてもよい。

 ARM64版Windows 11では、「ARM64EC」と呼ばれる新しい仕組みが導入される予定。同一のアプリにx64コードとARM64を混在させることが可能で、まだARMをサポートしていないライブラリやプラグインが含まれていても、ARMデバイス上でアプリをネイティブに近い速度で実行できる優れものだ。「Microsoft Office」でも活用が進んでおり、既存のx64プラグイン資産を生かしつつ、パフォーマンスを引き上げることができる。