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「Silverlight」のサポートがとうとう終了

「Adobe Flash Player」のライバル製品、Windows Phone 7のアプリプラットフォームにも

同社のサポートページ

 米Microsoftは10月12日(現地時間)、「Microsoft Silverlight」のサポートを終了する。競合製品の「Adobe Flash Player」が昨年末で廃止されたあともサポートが継続されてきたが、それもとうとう打ち切られる。

 「Silverlight」は、Webブラウザーでビデオやアニメーションを利用した、いわゆる「リッチコンテンツ」を再生するためのプラグイン。さまざまなプラットフォーム(Windows/Mac、Internet Explorer/Google Chrome/Safari)に対応し、とくに著作権保護のあるコンテンツを配信するサービスなどで採用が目立っていた。C#をはじめとする.NET系の言語で開発可能で、同社のスマートフォンOS「Windows Phone 7」ではアプリケーションプラットフォームとして用いられた実績もある。

 しかし、HTML5、WebGL、WebAssemblyといったオープンなWeb標準技術が成熟し、プラグインレスでリッチコンテンツが実現できるようになると、次第に需要は低下。逆にセキュリティやパフォーマンスへの懸念から、次第に敬遠されるようになっていた。

 「Flash Player」とは異なり、「Silverlight」ではシステムから強制削除されることはない。コンテンツの実行にもとくに制限は課されないようで、「Internet Explorer 11」や「Microsoft Edge」の「IE モード」で引き続き動作するとされている。

 とはいえ、サポート終了後はセキュリティ上の問題が発覚しても対処されなくなる。セキュリティ攻撃をうけたり、コンプライアンス上の重大なリスクを引き起こす可能性があるため、利用の継続は好ましくない。「Windows 7」の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を購入している場合でもサポートはないので注意したい。公式サイトでのインストーラー配布も打ち切られる。

 同社は後継ソリューションとして、以下を推奨している。

  • WinUI 3:XAMLでWin32/UWPアプリを開発(アプリケーションがWebアプリケーションに依存しない場合)
  • Blazor:C#言語でWebAssemblyを構築(アプリケーションがWebベースの場合)