やじうまの杜
「Internet Explorer 11」が無効化される前に知っておきたいこと
どのOSが対象? IEでしか見られないページはどうすれば? Windows 11ではどうなるの?
2021年7月13日 06:45
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
先月、「Internet Explorer 11」(IE 11)デスクトップアプリケーションが2022年6月15日に無効化されることがアナウンスされました。
しかし、このアナウンスには注意しなければならない点がいくつかあります。幸い、MicrosoftがわかりやすいQ&A(英文)を公開してくれているので、それを参考に、一般ユーザーに関係のあることだけピックアップして説明いたしましょう。
無効化されるのは「IE 11」の「デスクトップアプリケーション」
「IE」のコンポーネントはOSやアプリのさまざまなところで利用されています。そのため、それらがすぐに廃止となることはありません。無効化されるのは、単体の「デスクトップアプリケーション」としての「IE 11」(iexplore.exe)だけです。
「iexplore.exe」の存在を前提とした古いアプリで不具合が起きないようにするため、「iexplore.exe」は削除されず、そのまま残されます。しかし、無効化後は実行しても「IE 11」が起動することはなく、代わりに「Microsoft Edge」が起動するようになります(この処理は「リダイレクト」と呼ばれます)。
ちなみに、「IE 11」を既定のWebブラウザーにしている場合、無効化後は「Edge」に変更されるのだそうです。
「IE 11」が無効化されるのは「特定のWindowsバージョン」だけ
「IE 11」が無効化されるのは以下のバージョンのみです。クライアントSKUというのは一般ユーザーが手に入れられるエディション、つまり「Home」や「Pro」などを指します。
- Windows 10 クライアント SKU(バージョン 20H2およびそれ以降)
- Windows 10 IoT(バージョン 20H2およびそれ以降)
一方、以下のバージョンは今回の発表の対象外です。2022年6月15日以降も「IE 11」デスクトップアプリケーション(iexplore.exe)を起動できます。
- Windows 8.1
- Windows 7 Extended Security Updates(ESU)
- Windows Server Semi-Annual Channel(SAC)(すべてのバージョン)
- Windows 10 IoT Long-Term Servicing Channel(LTSC)(すべてのバージョン)
- Windows Server LTSC(すべてのバージョン)
- Windows 10 client LTSC(すべてのバージョン)
「IE 11」でしか見れないサイトがあるのだけど?
「IE 11」でないと正常に閲覧できないWebページがある場合、「IE 11」の代わりに「Edge」の「IE モード」が利用可能です。
「IE モード」を利用するには、まずツールバー右端の[設定など]ボタン([…]アイコン)から[設定]画面にアクセスし、[既定のブラウザー]ページを開きます。アドレスバーに「edge://settings/defaultbrowser」と入力して[Enter]キーを押しても構いません。
次に、[Internet Explorer モードでサイトの再読み込みを許可]というトグルスイッチをONに切り替えます。設定の変更を有効にするには、Webブラウザーの再起動が必要な場合があります。
初回に必要な設定は、これで完了。あとは、「IE モード」で閲覧したいページを開いた状態で、[…]-[その他のツール]-[Internet Explorer モードでサイド読み込む]メニューを実行すると、閲覧ページが「IE モード」になります。
「IE モード」では、Webページが「IE 11」(Tridentエンジン)で描画されるだけでなく、Active Xコントロール(JavaやSilverlight)も利用可能。閲覧ページが「IE モード」になっているかどうかは、アドレスバー左端のアイコンで確認が可能です。
でも、MHT/MHTMLファイルは「IE 11」でしか開けないよ?
Webページを1つのファイルに保存できるMHT/MHTML形式は、「Edge 92」でサポートされる予定です。MHT/MHTMLファイルを開くためだけに「IE 11」を残しておく必要はなくなるでしょう。
「IE モード」までなくなったりしない?
「IE モード」は少なくとも2029年までサポートされます。現行OSのサポートが切れる方が早いので、そちらの心配をした方がよいでしょう。
また、終了するときは少なくとも1年前にアナウンスされるそうです。