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とうとう「Internet Explorer 11」のサポートが(ほとんど)終了、27年の歴史に幕

互換性維持のため一部で存続はするものの、もはや考慮しなくていい存在に

Windows 10環境における「Internet Explorer 11」のサポートがとうとう終了

 Windows 10環境における「Internet Explorer 11」デスクトップアプリのサポートが、6月15日で終了した。27年の歴史に一応の終止符が打たれることになる。

 「Internet Explorer」(IE)は1995年、「Windows 95」のリリースとともに提供を開始。当時圧倒的シェアを誇っていた「Netscape Navigator」を打ち負かしたが、好敵手を失ったあとは次第に停滞。「Firefox」(Geckoエンジン)や「Safari」(WebKitエンジン)、次いで「Google Chrome」(Blinkエンジン)の挑戦を受けると、設計の古い「IE」はパフォーマンスとセキュリティ、Web標準技術への追随といった面で後れを取るようになり、次第にシェアを失っていった。

 最後のメジャーバージョンアップは2013年にリリースされた「IE 11」。それ以降も10年近くにわたってレガシーなWeb製品を支え続けてきたが、もはや延命させることのデメリットの方が大きくなっている。

 そこで同社は昨年5月、Windows 10のほぼすべてのバージョンで「IE 11」を廃止すると発表。後継となる「Microsoft Edge」(Blinkエンジン)を呼びかけていた。「Edge」はWindows 8からOSに同梱されており(当時はEdgeHTMLエンジン)、他のモダンブラウザーと遜色のないパフォーマンスとセキュリティ、互換性を誇る。

 なお、廃止後は「IE 11」デスクトップアプリケーション(iexplore.exe)を実行してもいずれ「IE 11」は起動しなくなり、代わりに「Edge」が起動するようになる(リダイレクト処理)。ごく一部のWindowsバージョンでは「IE」が引き続きサポートされるが、もはやそれも特殊な用途向けのバージョンに過ぎず、開発者は「IE」を考慮したWebサイト設計から解放されることになる。開発者がモダンなWeb機能の採用に前向きとなれば、消費者にとってもそれは大きな恩恵となる。

「Internet Explorer 11」の廃止をアナウンスするバナー

 ただし、いまだ組織内部で「IE」を利用するアプリやサービスは少なくないことから、コンポーネントとしての「IE」は存続される。「Edge」の「IE モード」機能を利用することで、レガシーサイトを「IE」コンポーネントで閲覧することも可能。この「IE モード」は少なくとも2029年までサポートされる予定だが、できるだけ早い脱「IE」が望ましいのは言うまでもない。

「Edge」でレガシーサイトを閲覧できる「IE モード」