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「Chrome 100」がベータ版に ~「長い」UA文字列を返す最後のバージョン
マルチスクリーンウィンドウ配置などにも対応
2022年3月8日 06:45
「長い」ユーザーエージェント文字列を返す最後のバージョン
Webブラウザーがもたらす情報を組み合わせてユーザーの識別・追跡を行う「フィンガープリント」(指紋)技術に対抗するため、「Chrome」ではユーザーエージェント(UA)文字列の削減(User Agent Reduction)し、「User-Agent Client Hints」へ移行する方針だ。ただし、UA文字列はWebブラウザーの種類やバージョンを判定するため幅広く用いられているため、移行は段階的に実施される。
その準備として、まずはUA文字列の削減を有効化し問題をあぶりだすためのOrigin Trialsテストが実施されていたが、「Chrome 100」をもってこれは終了。実際にロールアウトを行うフェイズへ移行される予定。
まだ準備ができていない場合は、非推奨のOrigin Trialsテストに登録することで従来の「長い」UA文字列を使い続けることができるが、この非推奨トライアルは2023年5月下旬に終了する。Webサイトの管理者は、できるだけ早く後継の「User-Agent Client Hints」への移行を準備する必要があるだろう。
マルチスクリーンウィンドウ配置
デスクトップで利用可能になる「Multi-Screen Window Placement API」は、デバイスに接続されているスクリーンを列挙し、特定のスクリーンにウィンドウを配置できるようにするAPIだ。プレゼンテーションアプリでメインディスプレイには発表者用のウィンドウを、サブのプロジェクターにはスライドを表示したいといったケースでの利用が想定されている。
そのほかの改善
専用ワーカー(Dedicated Worker)コンテキストから「Media Source Extensions」を利用できるようにする機能が引き続きOrigin Trialsでテストされる(「Chrome 103」までの予定)。これはメディアバッファリングのパフォーマンスを向上させるために役立つとのこと。
また、Webアプリケーションでアプリ内課金などを手軽に実現する「Digital Goods API」がOrigin Trialsを卒業し、正式な機能として導入される。
さらに以下の機能が新たに利用可能になるとのこと。
- AbortSignal.prototype.throwIfAborted()
- Capability Delegation
- HIDDevice forget()
- mix-blend-mode: "plus-lighter"
- Sec-CH-UA-WoW64 Client Hint
- SerialPort Integration with WritableStream Controller's Abort Signal
- TLS ALPN Extension in wss-schemed WebSockets Connections
- Web NFC: NDEFReader makeReadOnly()
- WebTransport serverCertificateHashes Option
「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Androidなどに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10/11で利用できる。