ニュース
Microsoft、Windows 95向けアニメ制作ソフト「3D Movie Maker」を今になってオープンソース化
モダナイズされて復活の可能性も
2022年5月9日 09:00
米Microsoftは5月4日(日本時間)、1995年に発表された3Dアニメーション制作ソフト「Microsoft 3D Movie Maker」のオリジナルソースコードを「GitHub」で公開した。ライセンスは「MIT license」。
「Microsoft 3D Movie Maker」は、「Windows 95」向けに開発された子ども向けの3Dアニメ制作ソフト。同梱の素材をドラッグ&ドロップで追加していくだけで手軽にアニメ監督気分を味わうことが可能で、本来は子どもの創作能力を伸ばす趣旨で発売されたものだ。
ところが実際は、某有名アニメの素材が含まれていたこともあり、一時期はそれを用いたあまり品のよくない動画の制作に活用されることが多かった。3Dといってもあくまでも当時の品質であるため洗練されているとは言えないが、逆にそれが妙な味わい深さを生み出している。
このアプリがいまさらオープンソース化されたきっかけは、とある開発者のリクエストだった。当該の人物は「ハードウェア・ソフトウェアのネクロマンサー」を名乗っており、現在の技術で「Microsoft 3D Movie Maker」を復活させるためにソースコードを公開してほしいと運動していたところ、MicrosoftのScott Hanselman氏らがそれに応え、関係部署との調整や権利関係の解決に動いたようだ。
内部で用いられていたArgonaut Software社のライブラリ「Argonaut Blazing Render 」(BRender)も、元CEO・Jez San氏の好意で「MIT license」のもと公開されている。
Hey friends - we've open sourced the code to 1995's Microsoft 3D Movie Makerhttps://t.co/h4mYSKRrjKThanks to@jeffwilcoxand the Microsoft OSS office as well our friends in legal and those who continue to put up with me being a nudzh. Thanks to@foonefor the idea! Enjoy.https://t.co/6wBAkjkeIP
— Scott Hanselman 🇺🇦 (@shanselman)May 4, 2022
公開されたソースコードは、おそらく現在のハードウェア・ソフトウェア環境でそのままビルドできない。しかし、「Microsoft 3D Movie Maker」の設計を把握したり、モダナイズのためのたたき台としては役立つだろう。オープンソース化の運動を行っていた開発者Foone Turing氏はさっそく「Microsoft 3D Movie Maker」のリポジトリをフォーク。「BRender」を「OpenGL」や「DirectX」に置き換えたり、作成したアニメを「YouTube」などへ公開するためのエクスポートボタンを追加することを考えているようだ。
Microsoftはほかにも、さまざまなレガシー製品のソースコードを公開している。最近では、1983年にリリースされた歴史的なBASICインタプリター「GW-BASIC」が2020年にオープンソース化された。