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「Slack」が初の値上げへ ~無料プランのメッセージ履歴は『90日間のみ保存』に制限
ストレージ無制限になるも90日縛りに。9月1日から
2022年7月20日 11:00
米Slack Technologiesは7月18日、同社が提供するビジネス向けコミュニケーションサービス「Slack」について、2014年のサービス開始以来初となる値上げを実施すると発表した。9月1日以降、有料のプロプランは月額で1ユーザー960円から1,050円に、年間契約の場合は1カ月あたり1ユーザー850円から925円となる。これに併せて、無料版のフリープランの内容も変更される。
プロプランの価格変更
今回の値上げは「プロプラン」のみが対象。同プランを年間契約で利用中のユーザーは、新価格の適用日である9月1日以前に契約を更新することで、その後1年間は従来の料金で利用できる。月間契約で利用している場合も、同日までに年間契約に切り替えることで、改定前の年払い料金が1年間適用される。なお、プロプランの上位プランにあたる「ビジネスプラス」と「Enterprise Grid」の価格は据え置きとなる。
同社は今回の値上げについて、「Slack」はこれまで「Slack コネクト」や「Slack ハドルミーティング」といった機能拡張を継続的に行なっており、「ただのメッセージングアプリ」以上の「Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)」としての価値を提供していると説明。こうした価値の向上を鑑み、今後もイノベーションへの投資を続けられるように、初の価格改定に踏み切ったという。
フリープランの制限変更
これに併せて、無料版のフリープランも内容を変更。フリープランでもチャンネルやダイレクトメッセージのなかで音声または動画ファイルを作成・共有できる「クリップ」が利用できるようになるほか、これまでのメッセージ数1万件、ストレージ容量5GBの利用上限が撤廃され、無制限に利用できる形となる。
ただし、改定後のフリープランでは過去のメッセージ履歴やファイルを保存できるのは「最大90日間」のみ。これらの変更も値上げと同時の9月1日から適用され、同日以降は過去90日以前のメッセージやアップロードしたファイルが非表示になる。
90日間を過ぎたメッセージとファイルを閲覧したい場合は、有料プランへのアップグレードが必要。これまで大学のサークル等で無料版を使用していたユーザーは、重要なファイルのバックアップを忘れないようにしたいところだ。
「Slack」はWeb・デスクトップ・モバイルで利用可能な企業内コミュニケーションツール。デスクトップ向け「Slack」アプリは、Windows/Mac/Linuxに対応しており(Linux向けはベータ版)、Windows版はWindows 7以降で利用可能。現在、公式Webサイトから無償でダウンロードできる。Windows 10以降であれば「Microsoft Store」から入手することも可能だ。