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Canary版「Windows 11」が初公開 ~Build 25314の配信が開始

WinUI 3版「エクスプローラー」の改善やセキュリティ強化など

「Windows 11 Insider Preview」Build 25314(rs_prerelease)がCanaryチャネルでリリース

 米Microsoftは3月8日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」Build 25314(rs_prerelease)をCanaryチャネルへ公開した。Canaryチャネルは今回新設されたリリースチャネルで、プラットフォームレベルの変更が早期テストされる。

 本ビルドで案内されている新機能は、以下の通り。

「エクスプローラー」のアクセスキー

 Windows App SDK/WinUI 3ベースの新しい「エクスプローラー」のコンテキストメニューにアクセスキーが追加される。

 アクセスキーは、キーボード操作によるメニューコマンドの実行を簡単にするアクセシビリティ機能。「エクスプローラー」でファイルを選択し、キーボードのメニューキーを押してコンテキストメニューにアクセスすると、各メニューの横に小さなアルファベットが表示される。キーボードでこの文字を入力するとメニューコマンドが実行される仕組みだ。

Windows App SDK/WinUI 3ベースの新しい「エクスプローラー」のコンテキストメニューにアクセスキーが追加

 なお、「エクスプローラー」がWinUI 3ベースかどうかはツールバーに「ピザ」アイコンがあるかどうかで識別できる。一部環境から段階的に展開されているようで、すべての環境で利用できるわけではない点には注意したい。

「エクスプローラー」のファイル提案

 「Azure Active Directory」(ADD)アカウントでログインしている場合、ユーザーに必要とされるであろうファイルが「エクスプローラー」のホーム画面に表示する。たとえば次のミーティングに必要な資料や、チームメンバーで共同編集中のファイルなどが提案されるとのことで、すぐに業務にとりかかれる。

「エクスプローラー」のファイル提案

 この機能も一部の環境から順次展開される。

アップグレード時にLSA保護を有効化

 「Local Security Authority保護」(LSA保護)は、承認されていないコードが資格情報を盗み取ろうとするのを防止する仕組み。「Windows セキュリティ」アプリの[デバイス セキュリティ]-[コア分離]セクションで状態を確認できる。

「Windows セキュリティ」アプリの[デバイス セキュリティ]-[コア分離]セクション

 本ビルドからは、OSをアップグレードすると一定期間、システムとLSA保護との間に非互換性がないかをチェックする処理が実施され、問題がなければ自動でLSA保護が有効化されるようになる。

 そのほかにも、「Outlook」アプリで「ナレーター」がサポートされる。また、セキュリティを強化するためリモートメールスロットプロトコル(Remote Mailslot Protocol)が既定で無効化されるとのこと。これはWindows NT 3.1で導入された古いプロトコルで、将来の製品バージョンで非推奨となる予定。まずはプレビュービルドで廃止に向けたテストが実施される。

 「Windows Insider Preview Program」は、製品としてリリースされる前のプレビュー版のOSを試すことのできるパイロットプログラム。複数の開発チャネルがあるが、なかでもCanary版は「出来立てほやほや」(hot off the presses)の状態で、ドキュメントがそろっていなかったり、安定性に問題がある場合がある。新しい機能に触れたい場合は、より安定したDevチャネルの方がおすすめだ。