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Microsoft、「Windows Insider」に「Canary」チャネルを新設

現行のDevユーザーはCanaryチャネルに自動移行、チャネルの確認と切り替えを

Microsoft、「Windows Insider」プログラムに「Canary」チャネルを新設

 米Microsoftは3月6日(現地時間)、「Windows Insider」プログラムに「Canary」チャネルを新設すると発表した。昨年2月に続く大規模な変更だ。既存のDevユーザーは自動でCanaryチャネルへ移行済みとなっているので注意したい。

 「Canary」チャネルという名は、炭鉱で有毒ガスの発生や酸欠の危険を察知するため、鉱夫が「カナリヤ」をカゴに入れて連れて行ったことに由来する。「Windows Insider」プログラムの場合、Windowsカーネルの変更や新しいAPIの追加といった、テストに長い期間を要するプラットフォームレベルでの変更を披露する場となるという。

 Canaryチャネルにおける変更は現行のDevチャネルと同様、製品版に導入されるとは限らない。また、広くテストされる前にリリースされるため、他のビルドよりも動作が不安定であったり、ドキュメントが追い付いてないことがある。リリースブログも毎回は公開されず、新機能が追加された場合などに限られるようだ。

 「Windows Insider」のCanaryチャネルは当面の間「Microsoft Edge」などの製品のように毎日アップデートされることはないが、将来的にはリリース頻度が増えることもあるとのこと。

 なお、今後のリリースチャネルとOSビルド番号の関係は、以下の通りとなる。

  • Canary:Build 25000シリーズ(旧Devチャネルと同じ系統のビルド)
  • Dev:Build 23000シリーズ
  • Beta:Build 22000シリーズ(旧Betaチャネルと同じ系統のビルド)
  • Release Preview:製品版のWindows 10/Windows 11と同じ

 つまりは既存のDevチャネルがCanaryチャネルに改称され、DevチャネルがBuild 23000台として再始動した格好といえるだろう。同社によると、OSの新機能に興味がある場合はDevチャネルがお勧め。

 Devチャネルは特定のWindowsリリースに縛られておらず、たとえば「バージョン 23H2」などとしてそのままリリースされることはない。新しいアイデアを試したり、熟成させたり、新開発の機能やエクスペリエンスをお披露目する場となっている。ここで製品版への投入に耐えうると判断されれば、Betaチャネルなどに加えられ、さらにテストされる仕組みだ。

 OSのビルドを上げることは容易だが、下げることは基本的にできず、リリースチャネルをより安定したビルドへ切り替える場合はOSの再インストールが必要。今のところCanaryチャネルからDevチャネルへの移行は設定の切り替えだけで行えるが、いずれはできなくなることも考えられる。移行を考えている場合は早めに決断すべきだろう。