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PC/MacからAndroid端末を操作できるツール「scrcpy」が音声転送に対応

v2.0へメジャーアップデート

「scrcpy」v2.0

 PC/Mac/LinuxからAndroid端末を操作できるツール「scrcpy」が、3月12日にv2.0へとアップデートされた。メジャーアップデートとなる本バージョンでは、待望の音声転送(Audio Forwarding)がサポートされた。「sndcpy」などを必要とせず、「scrcpy」単体でAndroid端末の音声をPCへ出力したり、録音・録画できる。

 ただし、端末のAndroidバージョンによっては、以下のように利用できなかったり、機能に制限があるあるので注意。

  • Android 12およびそれ以降:なにもしなくても機能する
  • Android 11:アプリがフォアグラウンドであるとシステムに思わせることで実現。端末は画面ロックが解除されている必要がある
  • Android 10まで:機能しないため、オーディオは自動で無効化される

 オーディオコーデックはOpus、AACおよび非圧縮PCM 16bit LE。起動オプションを指定すれば切り替えられる。

scrcpy --no-audio	#オーディオなし
scrcpy --audio-codec=opus #コーデックを指定(他に aac/rawが利用可)
scrcpy --audio-codec=aac --audio-encoder='OMX.google.aac.encoder' #エンコーダーの指定

 そのほかにも、H265およびAV1ビデオコーデックがサポートされた。デバイスがエンコーダーを提供していれば機能する。ただし、既定はH264のままだ。どこでも使えること、より低遅延でエンコードできることなどが理由とされている。

scrcpy --codec=h264  #デフォルト
scrcpy --codec=h265  # H265
scrcpy --codec=av1  # AV1

 また、Windows版で「FFmpeg 6.0」を採用するなど内部コンポーネントをアップデート。新たな起動オプションとして「--list-displays」と「--list-encoders」が追加された。いくつかの不具合も修正されている。

 「scrcpy」は、USB/Wi-Fi接続されたAndroid端末の画面をPCで表示・操作できるアプリケーション。コマンドラインオプションを指定すれば表示のカスタマイズ(拡大・縮小・回転など)や操作の録画が可能で、動作も軽快だ。ドラッグ&ドロップでアプリ(APK)のインストールやファイルのコピーも行える。

 対応OSはWindows/Mac/Linuxで、ライセンスは「Apache License 2.0」。現在、「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「scrcpy」
【著作権者】
Genymobile
【対応OS】
Windows/Mac/Linux(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0(23/03/12)