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Apple、「iOS 17」を発表 ~正式リリースは今秋、iPhone XS以降に無償提供
通信アプリを強化、「NameDrop」や「スタンバイ」など注目の新機能も
2023年6月6日 06:09
米Appleは6月5日(現地時間)、開発者向けカンファレンス「WWDC 2023」で「iOS 17」を発表した。デベロッパー向けのプレビューは、同日より「developer.apple.com」を通じて「Apple Developer Program」のメンバーに提供される。一般ユーザー向けのパブリックベータ版は、来月にも「beta.apple.com」で公開される予定。正式版のリリースは今秋が見込まれており、無償アップデートの形で提供される。
コミュニケーション
「iOS 17」では「電話」、「FaceTime」、「メッセージ」といったコミュニケーションツールの強化が図られている。
たとえば、これまでは「電話」アプリで着信すると相手の名前が表示されるだけだったが、「iOS 17」では「連絡先ポスター」をデザインし、相手の端末に表示させることが可能。写真やミー文字で個性を演出できる。
さらに、着信時に応答するかどうかを決めるのに役立つ「ライブ留守番電話」が搭載。相手が留守番電話のメッセージを残すと、それがリアルタイムで書き起こされる。会議中や電車での移動中など、電話に出るのがはばかれるときであっても、用件を確認できるというわけだ。ライブ留守番電話による書き起こしはデバイス上で処理されるため、プライバシーは完全に保護される。
「FaceTime」アプリでも、相手が着信を受け取れないときのために、オーディオまたビデオでメッセージを残せるようになる。また、Apple TVでも「FaceTime」がサポート。iPhoneで開始した通話の続きをApple TVに引き継ぎ、リビングの大画面TVで共有することも可能だ。
「メッセージ」アプリではデザインが刷新され、新しい絵文字ステッカー、写真の被写体を抜き出してLiveステッカーを作成する機能、ユーザーが目的地に無事に到着したことを家族や友人に知らせる安否確認などがサポートされる。
AirDrop
ファイルを手軽に共有できる「AirDrop」では、新しい共有方法「NameDrop」が追加される。これはiPhone同士、またはiPhoneとApple Watchを近づけるだけで連絡先情報を簡単に共有できるというもの。前述の「連絡先ポスター」も交換できる。
また、iPhone同士が近くにある場合は、同じジェスチャーを使ってコンテンツを共有したり、SharePlayを開始して音楽を聴いたり、映画を鑑賞したり、ゲームを楽しんだりすることもできる。今年後半には、インターネット経由で転送を完了する機能もサポートされる予定だ。
スタンバイ
「iOS 17」で新たに搭載される「スタンバイ」は、iPhoneを横向きに充電している間にさまざまな情報をフルスクリーンで提供する機能。美しいスタイルの時計、お気に入りの写真、一連の便利なウィジェットなどを表示できるとのことで、iPhoneをモニター付きのスマートスピーカーのように扱える。
ちなみに、「iOS 17」では「Hey, Siri!」と呼びかけなくても、「Siri!」だけで音声アシスタントが応答してくれる。
ジャーナル
「iOS 17」で新たに追加される「ジャーナル」は、日記をつけることを習慣づけるためのアプリ。デバイス上の機械学習を活用して写真、人々、場所、ワークアウトなどを直近のアクティビティから賢く厳選し、ユーザーはそれをもとにその日を振り返ることができる。
毎日決まった時間に日記を書くよう通知を設定することもできるので、日記を始めてもすぐに挫折してしまうという人にもってこいだ。「Journaling Suggestions」と呼ばれるAPIを利用すれば、サードパーティー製アプリから日記の候補を提案することもできるとのことで、OS標準アプリ以外のサポートも期待できる。
なお、日記の内容はアプリのロック機能やエンドツーエンド暗号化などにより守られるとのこと。Appleでさえ、ユーザーの日記を盗み見することはできない。
そのほかにも、自動修正と音声入力の改良、「ヘルスケア」アプリの拡充、オフラインマップ対応の「マップ」アプリ、プライバシーとアクセシビリティの改善などが行われる。
対応デバイスは「iPhone XS」以降で、以下の機種は「iOS 16」からアップグレードできなくなるようだ。
- iPhone X
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus