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YouTubeの広告コントロールが簡素化・改善 ~広告の種類を適宜自動で選択

ライブストリーミングのミッドロール広告をコントロールする仕組みも導入

クリエイター側での広告操作の簡素化と改善

 動画共有サービス「YouTube」は9月7日(現地時間)、「YouTube Studio」の広告操作の簡素化と改善をすると発表した。

 11月よりクリエイターコミュニティ内のベストプラクティスを拡張し、クリエイターの収益を最適化するためのアップデートが行われる。

広告コントロールを簡素化

 まず、今後数カ月をかけて「YouTube Studio」で以下のように広告コントロールが簡素化される。

  • 長編動画の前後に広告を配置する場合
     11月からプレロール、ポストロール、スキップ可能、およびスキップ不可な広告を個別に選択するオプションが削除される。その代わり、広告を有効化にすると、多くの要素を基に収益を最大化しつつ視聴者の試聴体験を損なわないよう、これらの広告フォーマットのいずれかが表示される。
  • ミッドロール広告の場合
     クリエイターは引き続きミッドロール広告を完全に制御でき、ミッドロールの広告の挿入点を手動で選択したり、自動選択を有効化にしたりできる。

 新しい仕組みでは、動画の前後に表示される広告をON/OFFするオプションのみが選択可能。以前にアップロードされた動画は、既存の広告フォーマットの選択が保持される。ただし、動画の収益化設定を編集した場合は、広告をON/OFFするオプションのみが提供される。

 昨年度、公開時に収益化が有効になっていた長編動画では、90%以上の動画でプレロール広告、ポストロール広告、スキップ可能広告、およびスキップ不可な広告が有効になっていたという。

 2023年上半期の実験では、他の全ての広告フォーマットを複数組み合わせてスキップ不可の広告を有効にしたクリエイターはスキップ不可の広告を有効にしていないクリエイターと比べて、広告収益が平均5%以上増加し、視聴者の減少は、が1%未満だったことが観察された。同じ実験で、他の全ての広告フォーマットとプレロール広告を有効にしたクリエイターはプレロール広告を有効にしていないクリエイターと比べて、広告収益が平均15%以上増加し、総再生時間の減少が5%未満だったとのこと。

ライブストリームでの広告機会の拡大

 ミッドロールの広告は視聴体験の一部となっているため、ライブストリーミングのクリエイターにコントロールする手段が提供される。ライブストリームでは、YouTubeが最適化した表示頻度のミッドロール広告とクリエイターが選択した表示頻度のミッドロール広告、新しいライブ ディスプレイ広告が選択可能だ。

 ミッドロール広告が表示される前に60秒のカウントダウンがあり、クリエイターはカウントダウンが0になる前に広告をスキップできる。また、ミッドロール広告とライブディスプレイ広告が10分間表示されないようにするオプションも導入。広告をスキップしたり遅延させた場合は、いつでもクリエイターが手動でミッドロール広告を挿入できる。

 さらに今後、YouTube アナリティクスでは、クリエイターがライブストリームから得た広告収益や、ライブリプレイから得た広告収益を確認できる新しい収益情報も公開するとのこと。

長編動画のミッドロール広告ブレークを最適化するためのオプションを追加

 現在長編動画にミッドロール広告をいつ表示するかを決定するオプションは、YouTubeが推奨するタイミングと、クリエイターが設定したタイミングの2つが提供されている。加えて今後数カ月以内に、これら2つのオプションを組み合わせて収益を最適化する3番目のオプションが利用可能となる。広告は全ての設定されたタイミングで表示されるわけではなく、最適なタイミングが選択され、クリエイターと視聴者の両方にメリットがもたらされるという。