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「Gmail」がスパムメール撲滅に本腰 大量送信者に新しい義務を課す方針を明らかに

SPF/DKIMといった認証システムの導入、メルマガ登録解除のワンクリック化など

公式ブログにおけるアナウンス

 米Googleは10月3日(現地時間)、スパムメールを減らすため「Gmail」に新しい制限を課すことを明らかにした。2024年2月を目途に、「Gmail」アドレスに対し1日に5,000通以上のメッセージを送信するユーザーに対し新しい要件が導入される。

 同社は「Gmail」にAIを搭載した防御機能を追加しており、受信トレイに届くスパム、フィッシング、マルウェアの99.9%以上を阻止し、毎日約150億通の迷惑メールをブロックしているという。また、昨年には「Gmail」アドレスに送信されるメールに対し何らかの認証を行うことを義務付けた。その結果、「Gmail」ユーザーが認証されていないメッセージを受信する数は75%も激減し、何十億通もの悪質なメッセージをより高い精度でブロックできるようになったとのこと。

 今回新たに課される要件は、こうした取り組みをさらに先へ進めるものとなる。

  • メール認証
     Googleは個人の「Gmail」アカウントに送信されたメールをランダムにチェックし、メールが認証されているかどうかを確認しているという。スパムメールの多くは送信元ドメインを詐称する、いわゆる「なりすましメール」だが、これらは認証システムがあれば減らすことができる。

     「Gmail」アカウントへ大量にメールを送信する場合、本来の送信者から実際に送られてきたものであることを確認するための仕組みであるSPFまたはDKIMを設定することが要求される。これらの認証が1つもないメッセージはエラーで受信が拒否されるか、スパムとしてマークされる。
  • 配信の停止手続きを簡単に
     メールマガジンなど、特定のメール受信者からの不要なメッセージはワンクリックで停止できるようにすべきだ。そこで「Gmail」は大規模な送信者に対し、「Gmail」の受信者がワンクリックで商用メールの配信を停止できるようにすること、配信停止のリクエストを2日以内に処理することを要求しているとのこと。
  • スパムメッセージの判断
     加えて、送信者が順守しなければならない明確なスパム率の閾値が設定される。これは業界初の試みで、受信トレイに届くスパムの数が減ることが期待される。

 同社は、これらのプラクティスが“基本的なメール衛生”(basic email hygiene)とみなされるべきだとしている。つまり、私たちがトイレに行ったらかならず手を洗うように、メールにかかわるサービスを運営する管理者にとって当たり前の対策であるべきで、遵守するサービスが増えれば増えるほど、スパムメールが活動する余地が少なくなるだろう。