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「過去最悪」の脆弱性に対処した「curl 8.4.0」が公開

「High」1件、「Low」1件

「curl 8.4.0」が公開

 データ転送ライブラリ「curl」が10月11日(日本時間)、v8.4.0へとアップデートされた。以下の脆弱性に対処したセキュリティアップデートとなっている。

 今回のアップデートで修正された脆弱性は、以下の2件(括弧内は深刻度の評価)。

  • CVE-2023-38545:SOCKS5のヒープバッファーオーバーフロー。「libcurl 7.69.0」およびそれ以降、「libcurl」と「curl」ツールの両方に影響(High)
  • CVE-2023-38546:クッキーインジェクション。「libcurl 7.9.1」およびそれ以降、「libcurl」にのみ影響(Low)

 なかでも「CVE-2023-38545」は開発メンバーが「長年みてきたなかでおそらく最悪」と評したほどの脆弱性で、内容については徹底したかん口令が敷かれていた。リリースサイクルを逸脱してリリースされた点をみても、重大なセキュリティ欠陥であることがうかがわれる。

 なお、APIやABIに変更はないとのことで、バージョンを差し替えても不具合が生じる可能性は低い。できるだけ早く対処したほうがよいだろう。

 「curl」は、さまざまなプロトコルでデータ転送を行うオープンソース・クロスプラットフォーム対応のライブラリおよびそのコマンドラインツール(ライセンスは独自)。PCだけでなく、スマートフォンや家電、自動車に至るさまざまなデバイスで利用されており、最近のWindowsにも標準で含まれている。ソースコードのダウンロードは公式サイト「curl.se」などから行える。