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「GitHub Copilot Chat」は2023年12月に一般提供開始へ ~著名なOSS・学生などは無償

AIを搭載した開発者向けの新しいプラットフォームも発表

GitHub、AIを搭載した開発者向けの新しいプラットフォームを発表

 米GitHubは11月18日(現地時間)、「GitHub Copilot Chat」の一般提供を発表した。また、新たな「GitHub Copilot Enterprise」のサービスプレビューや、AIを活用した新しいセキュリティ強化、「GitHub Copilot Partner Program」、「GitHub Copilot Workspace」も発表されている。

2023年12月より「GitHub Copilot Chat」を一般提供(GA)

 「GitHub Copilot Chat」は、既存の「GitHub Copilot」サブスクリプションプランの一部として、組織および個人ユーザーに対して一般提供(GA)される。これらは認証済みの学生や教育関係者および、著名なオープンソースプロジェクトのメンテナーに無償で提供されるという。

「GitHub Copilot Chat」

 一般提供に伴う主な仕様は以下の通り。

  • OpenAIのGPT-4による強化
  • コードを意識した修正ガイダンスとコード生成による支援
  • インラインで直接特定の行について検討可能
  • スラッシュコマンドとコンテキスト変数を導入してコードの修正や改善などを効率化
  • AIを利用したしたスマートアクションでプルリクエストのレビュー、もしくはコミットやプルリクエストのレスポンスなどをクリックするだけ提案
  • JetBrainsのIDEスイートへの統合

 「GitHub Copilot Chat」はGitHub.comに直接統合されており、提案、要約、分析、回答を開発者に提供できる。さらに、「GitHub code search」と組み合わせることで、コードやプルリクエスト、ドキュメント、一般的なコーディングの質問などにも対応可能だ。

「GitHub Copilot Chat」をモバイルアプリケーションに実装

 また既存の「GitHub Copilot」のプランの一部として、モバイルアプリでも「Copilot Chat」が利用できるようになることも発表された。iPhoneやAndroidアプリで表示されているリポジトリ、ファイル、ドキュメントについて、テキスト・音声で入力した質問に回答を得ることが可能となる。

組織向けの「GitHub Copilot Enterprise」

 組織向けの「GitHub Copilot Enterprise」では、開発者チームがコードベースについて迅速に理解し、ドキュメントを検索してビルド、内部コードやプライベートリポジトリに基づくプルリクエストを迅速にレビューできるようになるという。

 さらに、プルリクエストのサマリーを生成する機能などのスマートアクションが、GitHub全体でボタンをクリックするだけで使えるようになり、開発者がフロー状態を維持可能。また、これらは全てエンタープライズ・グレードのセキュリティ、安全性、プライバシーを備えている。

 組織のコードベースの集合知がすぐに使えるようになることで、開発者はコードを速く書けるだけでなく、次のアプリケーションや機能、アップデートを競合他社に先駆けて展開できるようになるという。「GitHub Copilot Enterprise」は、2024年2月に1ユーザーあたり月額39米ドルで一般提供(GA)を開始する予定。

「GitHub Copilot Enterpris」の価格

Copilotを基盤としたエコシステムを促進する「GitHub Copilot Partner Program」

 「GitHub Copilot Partner Program」では、「GitHub Copilot」をサードパーティーの開発者向けツールやオンラインサービス、GitHub以外のナレッジと統合することでさらに強化可能。このエコシステムが拡大し続けるにつれて、データベースクエリのパフォーマンス向上支援から、機能フラグのステータスチェック、A/Bテストの結果の確認など、GitHub用のプラグインによって「GitHub Copilot」が開発者にもたらすさらなる作業効率の可能性が拡大するとしている。

 このプログラムの第一段階として、Datastax、LaunchDarkly、Postman、Hashicorp、Datadogを含む25社以上を最初のパートナーとしてスタートする。

「GitHub Advanced Security」でAIを活用した新しいセキュリティ機能が利用可能に

 「GitHub Advanced Security」では、LLMベースの脆弱性防止システムを適用し、安全ではないコーディングパターンをリアルタイムでブロック可能。ハードコードされた認証情報、SQLインジェクション、パスインジェクションなど、最も一般的な脆弱なコーディングパターンを抑止できる。

 「GitHub Copilot」はIDE内でセキュリティ脆弱性を特定し、自然言語機能を使用して脆弱性の仕組みを説明でき、強調表示されたコードに対する特定の修正を提案するのにも役立つ。コード内の脆弱性と秘密を検出して修正する新しいAIを活用したアプリケーションのセキュリティテスト機能を「GitHub Advanced Security」が導入された。

 このほか、AIによって生成されたJavaScript/TypeScript用のCodeQLによる修正提案を直接プルリクエストする「Code scanning autofix」や、AIと新しい正規表現生成による誤検知の少ない機密漏洩防止システムも導入予定。のこれら新しい検出機能を組み合わせることで、組織全体でさらに多くのセキュリティ脆弱性を検出および防止し、将来に向けてコードを強化し続けることができるという。

 これらの機能は現在プレビューとして利用可能で、間もなく「GitHub Advanced Security」サブスクリプションに含まれる予定だ。

「GitHub Copilot Workspace」

 「GitHub Copilot Workspace」では、意図した変更を実装する方法について自動的に提案された計画が表示できる。「Copilot Workspace」が提案した計画は修正可能なため、提案の意図とコードベース全体の理解を活用しながら、AIを希望する方向に導くことが可能。変更が期待どおりに動作することを検証するために、「Copilot Workspace」を使用してコードを構築、実行、テストし、エラーが発生した場合は、自動的に修正するよう提案できる。

 「Copilot Workspace」は、プロジェクトの隅々まで知っているパートナーとのペアプログラミングセッションのようなもので、AIの力を利用して開発者のリードに従い、課題からプルリクエストに至るまでリポジトリ全体に変更を加えることが可能だとしている。