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「Android Studio」搭載のコーディング支援AI「Studio Bot」は「Gemini」に

「Gemini 1.0 Pro」モデルの採用でさらに強力に

「Studio Bot」は「Gemini」に

 米Googleは4月8日(現地時間)、「Studio Bot」を「Gemini」へ改称すると発表した。

 「Studio Bot」は、Androidアプリの統合開発環境(IDE)「Android Studio」に統合されたAIコーディングアシスタント機能。昨年5月に米国でリリースされた。

 当初の「Studio Bot」は「PaLM 2」の流れを汲む大規模言語モデル「Codey」を用いていたが、現在では「Gemini 1.0 Pro」モデルが採用されているという。この取り組みはここ数カ月の社内テストを通じて大幅なレスポンス品質の向上を示しているとのことで、本格的なモデル移行の意思を明確にするためにも「Gemini」という名前を採用することにしたようだ。

 「Gemini in Android Studio」を活用すれば、IDEから離れることなくアプリのコード生成、複雑なコードの補完、質問への回答、関連リソースの検索、コードコメントの追加といった支援を受けられる。会話の文脈も把握しているので、「Kotlinでのコードはどうなりますか?」「Composeで行う方法を教えてください」といった質問にも応えてくれる。

 さらに「Gemini」はテキスト以外も扱えるマルチモーダルなので、画像を扱うことも可能。生成AIアプリを構築するための「Gemini API Starter」テンプレートやサンプルも用意されている。

「Gemini API Starter」テンプレートやサンプルも

 「Gemini in Android Studio」はプライバシーにも配慮されており、ログインして有効にしない限り、情報を収集することはない。チャットの応答は純粋に会話履歴に基づいており、応答をカスタマイズするため追加の背景知識を得ることを許可するかどうかは開発者自身がコントロールできる。「.aiexclude」ファイルを通して、特定のファイルやフォルダをオプトアウトすることも可能だ。

「.aiexclude」ファイルを通して、特定のファイルやフォルダをオプトアウト

 「Gemini in Android Studio」を一足先に体験してみたい場合は、開発版の「Android Studio Jellyfish」を利用するとよい。180以上の国と地域で利用可能だ。AI支援によって得られた開発リソースを節約できれば、アプリの開発速度向上や品質の改善に役立てることができるだろう。