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「Gemini」コーディング支援が安定版に ~「Android Studio Jellyfish」(2023.3.1)
リモート実機で「Pixel 8」「Pixel Fold」など最新鋭デバイスをテストできる機能も
2024年5月9日 15:36
米Googleは4月30日(現地時間)、「Android Studio Jellyfish」(2023.3.1)を安定版としてリリースした。対応OSはWindows/Mac/Linux/Chrome OSで、現在Android開発者向けのサイト「Android Developers」から無償でダウンロード可能。Windows版向けは64bit版のWindows 8以降で利用できる。
「Android Studio」は、Androidアプリを開発するためのオフィシャル開発環境。各バージョンにはAから順に動物の名前が愛称として付けられているが、本バージョンでは「クラゲ」(Jellyfish)が採用された。
「Android Studio Jellyfish」の目玉は、生成AIによるコーディング支援機能「Gemini in Android Studio」(旧称:Studio Bot)が安定版として搭載されたことだ。以下の機能が「Android Studio」へシームレスに統合されている。
- チャット:コードサンプルや質問に回答
- AIコード補完:入力中にインテリジェントな提案を表示
- エラー分析:LogcatとBuildのエラーを説明
- スマートアクション:強力なショートカットでタスクを効率化
また、サインインフローも改善された。「Android Studio Jellyfish」のログイン許可はモジュール式になっており、ログインしている「Google アカウント」で利用する統合サービスを個別に許可できる。たとえば、アカウントAでは「Gemini」のみ統合し、アカウントBでは「Firebase」も統合するといったきめ細かいコントロールが可能だ。
デバッグ関連では、「Firebase」を利用したAndroidデバイスストリーミング(無償)が目玉。同社のデータセンターでホストされている物理デバイスへ安全に接続し、「Google Pixel 8」や「Pixel Fold」、一部のSamsung製デバイスなど、最新のAndroidデバイスでアプリをテストできる。アプリのデプロイ、ディスプレイの表示、デバイスの操作(回転、開閉など)も自由で、デバイスでのテストが終了するとデータは消去され、別の開発者が利用できるようにデバイスが工場出荷時へリセットされる。
そのほかにも、以下の変更が実施されているとのこと。
- 「AQI Crashlytics」のクラッシュレポートが改善
- 「Layout Inspector」がデフォルトで「Running Devices」ツールウィンドウに埋め込まれるように。画面効率の向上、使い勝手の改善、レンダリング速度の50%向上といったメリットが得られる
- 「App Links Assistant」がWeb関連付けファイルの検証をサポートするように
- コードパスの解釈とジャストインタイム(JIT)コンパイルのステップを回避することにより、ベースラインプロファイルにおける初回起動時からコードの実行速度を約30%向上
- 900以上のバグに対応。メモリエラーが40%減少
- 「IntelliJ 2023.3」プラットフォームへの更新で、「Java 21」へ対応。多くの新機能や改善を享受できる
ソフトウェア情報
- 「Android Studio」Windows向け安定版
- 【著作権者】
- Google LLC
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 8以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 2023.3.1(24/04/30)